令和3年度に計5回の公募が予定されている事業再構築補助金。第1回締切り分の採択率36.1%という狭き門でした。採択を勝ち取るために、事業計画書の内容が重要であることは言うまでもありませんが、審査員が最初に目を通す「テーマ名」も同じくらい重要です。
 では、どのようなテーマ名を付ければ良いのでしょうか?
 これから事業再構築補助金への応募をご検討の皆さまは、「良いテーマ名の付け方」を学ぶことで、採択の可能性をグッと高められます。
 それでは、事業再構築補助金に採択されるために知っておくべきテーマ名の付け方を、「テーマ名が重要な理由」「実際に採択されたテーマ名」を交えてご説明していきます。

なぜテーマ名が重要なのか?

 冒頭でも触れましたが、テーマ名は審査員が最初に目を通す部分です。
 事業再構築補助金の申請様式は、「補助事業計画名(テーマ名) ※30字程度」「事業計画書の概要 ※100字程度」「事業計画書 ※15ページ」という順に並んでいます。    事業計画書は15ページという大きなボリュームであるのに対して、テーマ名わずか30字程度。しかしながら、テーマ名が与える影響は小さくありません。なぜなら、最初に目に入ってくるテーマ名審査員の「メンタルモデル」に影響を与えるからです。
 メンタルモデルとは、「話を聞く側が、これから何を話されるのか」を頭の中にイメージを持つことです。
 普段の会話でも、話を聞く準備ができていない状況で、話し手に唐突に話を始められると、「えっ?何のこと?」と理解するまでに時間がかかりますよね。逆に、「これから何を話すのか」を最初に教えてもらえれば、スムーズに話を理解できます。
 これと同じように、最初に目をとおすテーマ名から事業計画の内容をイメージできれば、審査員にメンタルモデルが構築され、事業計画を読み進める中での「理解度」が確実に高まります

では、「良いテーマ名」とは具体的にどのようなものでしょうか?

良いテーマ名と悪いテーマ名

 良いテーマ名は、効果的に審査員のメンタルモデルをつくります。なおかつ、これから述べる良いテーマ名に必要な要素のうち2つ以上含んでいます。その一方、悪いテーマ名にはこれらの要素が全く含まれていないか、含まれていても1つの要素だけというケースがほとんどです。
 良いテーマ名を付けるためには、「補助事業で何に取り組むのか?」「何を導入するのか?」「何を実現したいのか?」「取り組みの背景は何か?」「何を活かした事業なのか?」の5項目を意識しましょう。これらのうち、最低でも2項目、できれば3項目を満たすと、自動的に良いテーマ名ができあがります。
 それでは、具体的な事例を見ていきましょう。ご紹介する良い事例については、第1回締切り分で実際に採択されたテーマ名をそのまま掲載しています。また、悪い例では、補助金申請に初めて挑戦する方がやってしまいがちな、取り組み内容が読み取れない例を掲載しています。

 いかがでしょうか?
 まず、悪い例ですが、1項目を満たすだけで、説明が不十分な感が否めません。一方、良い例では、2項目以上を満たしており、補助事業での取り組み内容をイメージできます。特に3項目を満たしているケースでは、取り組み内容を明確にイメージできますね。
 テーマ名を付ける際には、ぜひこのような観点でセルフチェックをしてみてください。また、別の視点からのアプローチとして、「審査員の目を引くキーワード」をテーマ名に盛り込むというテクニックがあります。

効果的なキーワード

 テーマ名の付け方は上述したとおりですが、実はテーマ名に盛り込むと良い、「効果的なキーワード」が存在します。それは、「事業再構築補助金の趣旨にあった言葉」「ビジネスのトレンドとなっている旬の言葉」です。
 具体的には、次のようなものが該当します。

 これらのキーワードを盛り込むことで、審査員から「補助金の趣旨にあっているな」「市場ニーズを捉えた取り組みだな」ファーストコンタクトの時点から好意的に受け止めてもらえる可能性が高まります。補助金も人間関係と同じように、第一印象が与える影響は大きいものです。
 ただし、これらのキーワードを「取って付けたように」テーマ名に盛り込むのは危険です。内容との齟齬が生じると、事業計画全体の信用度が下がり、逆効果となってしまいますので注意しましょう。
 また、これら以外にも、「〇〇県初!」「業界初!」などと革新性をPRする手法や、「このままでは終われない!」「生き残りをかけた~」などの個性的な言い回し感情に訴えかける手法も効果的です。

まとめ

 いかがでしたか?「ポイントを押さえたテーマ名」を付けることができれば、審査員のメンタルモデルをつくれます。その結果、審査員の事業計画への理解度が高まり、高評価の獲得。ひいては採択の可能性アップにつなげられます。
 ご紹介したテーマ名のポイント盛り込みたいキーワードを意識しながら良いテーマ名を付け、事業再構築補助金の採択を勝ち取りましょう!

 ただ、テーマ名も大事ですが、「事業計画の内容」を充実させることも採択への必須条件です。質の高い事業計画書を作成し、採択率の可能性を少しでも高めたい場合には、「高度な専門家」を擁するコンサルティング会社に支援を依頼することをお勧めします。

中小企業診断士 児山

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