2023年11月10日に、観光庁から令和5年度第一次補正予算(総額予算 約689億円)が発表されました。

訪日外国人旅行消費額5兆円という目標を早期に達成するため、インバウンドの地方への誘客や観光地の再生・高付加価値化等により消費額拡大を一層強力に推進するとともに、喫緊の課題であるオーバーツーリズムの未然防止・抑制や人材不足対応等の受入環境整備の早急な実施を目指していく意向です。

当記事では補正予算で割り当てられた事業の中から、2024年に観光事業者が活用できる補助金8選を紹介していきます。

2024年1月25日 内容更新

特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業

目的

早期にインバウンド消費額5兆円を達成し、一人当たり消費額25万円を目指すと同時に、我が国の地方の魅力を世界中に発信・訪日誘客し、その果実を地方へ波及させることが目的です。

対象者

民間事業者、地方公共団体、DMO

事業内容

  • 我が国が誇る観光資源(自然、文化、食、スポーツ等)を、早朝夜間や未公開・非混雑エリア等の十全な活用と組み合わせ、期間限定の特別な体験として提供します。
  • 特に地方の自然・伝統文化活用、食の地産地消、地域人材の活用等を奨励し、付加価値が高く、地域の目玉となる様々な資源を集約した「地方プレミアム体験コンテンツ」の創出を促進します。
  • 海外情報発信の観点から、海外旅行博等における訪日イベントを実施します。
事業イメージ(観光庁HPより)

補助金額

(1)国・地方型(直轄事業)
上限8,000万円 (最低事業費:3,000万円)

(2)民間企業型(補助事業)
①インバウンド規模3,000名以上
1,500万円定額 1,500~6,000万円まで補助率1/2(最低事業費:2,500万円)
②高付加価値
1,000万円定額 1,000~3,000万円まで補助率1/2(最低事業費:1,500万円)(単価3倍以上)

応募の詳細

申請方法やその他詳細は、観光庁国際観光課・観光資源課にお問い合わせください。

地域観光新発見事業

目的

観光による経済効果を地方にも波及するには、地域間競争力を高め、地方誘客を進める必要があります。埋もれている地域の観光資源を活用し、多様な観光コンテンツを造成するとともに、販路開拓や情報発信を行うことで、地方への継続的な訪問を促進します。

対象者

民間事業者、地方公共団体、DMO

事業内容

地域の観光資源を活用した地方誘客に資する観光コンテンツについて、十分なマーケティングデータを活かした磨き上げから適時適切な誘客につながる販路開拓及び情報発信の一貫した支援を実施します。

<具体的な支援内容>
・専門家の意見を踏まえた観光コンテンツの磨き上げ・商品化
・新たな観光コンテンツのオンライン等を活用した国内外への販路開拓及び情報発信

事業イメージ(観光庁HPより)

補助金額

事業形態:間接補助事業
400万円まで定額、400万円を超える部分については補助率1/2
(補助上限:1,250万円、最低事業費:600万円)

応募の詳細

申請方法やその他詳細は、観光庁 観光地域振興部 観光資源課 新コンテンツ開発推進室にお問い合わせください。

海外ビジネス客の訪日・消費拡大事業

目的

ミーティング・インセンティブ旅行(MI)は成長が見込まれる市場ですが、国内での誘客体制やコンテンツが不十分であり、世界の需要を十分に取り込めていません。2025年の大阪・関西万博を契機にインセンティブ旅行や企業会議が増える予想される中、受け入れ体制を急速に整備する必要があります。

対象者

民間事業者

事業内容

①地域一体となったコンテンツ開発
コンベンションビューロー、地元産業、旅行会社等の地域関係者による検討会等を開催し、地域一体となったミーティングインセンティブ旅行(MI)向けのコンテンツの開発等を実施します。

②開催効果・広域波及の拡大
他の地域で開催される国際会議等のイベントにおける、ツアー/エクスカーションの販売・提供等を促進し、開催地への経済効果のみならず、開催地以外の地域への波及効果を高めます。

(観光庁HPより)

補助金額

事業形態:①②ともに直轄事業
①補助上限:4,000万円
②補助上限:1,200万円

応募の詳細

申請方法やその他詳細は、観光庁 MICE室にお問い合わせください。

オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業

目的

国内外の観光需要が急速に回復し多くの観光地が賑わいを取り戻す中、観光客が集中する一部の地域や時間帯等によっては、過度の混雑やマナー違反による地域住民の生活への影響や、旅行者の満足度の低下への懸念も生じている状況であり、適切な対処が必要。

観光客の受け入れと住民の生活の質の確保を両立しつつ、持続可能な観光地域づくりを実現するには、地域自身があるべき姿を描いて、地域の実情に応じた具体策を講じることが有効であり、こうした取組に対し総合的な支援を行う。

対象者

民間事業者、地方公共団体、DMO

事業内容

オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けて、住民を含めた地域の関係者による協議の場の設置、協議に基づく計画策定や取組に対する包括的な支援を実施します。

事業スキーム
①先駆モデル地域型
②一般型

補助対象事業
➀調査・分析
➁対策計画策定
➂受入環境の整備・増強
➃需要の適切な管理
⑤観光客の分散・平準化
⑥マナー啓発
⑦地域住民と協業した観光振興

(観光庁HPより)

補助金額・補助率

①補助上限 8,000万円(補助率2/3)
②補助上限 5,000万円(補助率1/2)

事業スケジュール

  • 公募開始2024年1月25日
  • 公募締切2024年2月15日12:00
  • 採択:2024年3月中旬頃から順次
  • 交付申請:2024年3月中下旬頃から順次
  • 事業完了:2025年2月末
  • 2次公募予定中(詳細は未定)

応募の詳細

申請方法やその他詳細は、観光庁HP(こちら)をご確認ください。

観光地・観光産業における人材不足対策事業

目的

宿泊業は観光需要の急速な回復により人手不足が問題となっています。インバウンドによる経済効果を最大限にするために、人手不足の解消が急務です。採用活動支援や設備投資支援などの短期的な対策、外国人材の活用などの中長期的な対策を総合的に実施していきます。

対象者

民間事業者

事業内容

①人材確保支援
大型の合同企業説明会等における宿泊業の魅力発信イベントの実施等、事業者の採用活動を全面的に支援します。

②人材活用の高度化に向けた設備投資支援
人手をかけるべき業務に人材を集中投下し、サービス水準向上・賃上げを実現するため、スマートチェックイン・アウト、配膳・清掃等ロボット、チャットボット、予約等管理システム(PMS)等の設備投資を補助します。

③外国語人材の確保
特定技能試験の受験者を増やすためのジョブフェア等のPR活動、試験合格者の雇用のためのマッチングイベントの実施、観光地における外国語対応人材の確保等を行います。

(観光庁HPより)

補助金額

事業形態
①・③直轄事業
②間接補助事業(補助上限500万円、補助率1/2)

応募の詳細

【2024年1月25日現在】
当該補助金を提供する補助事業者(事務局)の公募を開始しています。(〆切:令和6年2月8日)
詳細は以下の記事をご確認ください。↓

※当該補助金について支援を受けようとする事業者を対象とする補助金申請の公募は、令和6年3月以降、公募内容等の詳細が決まり次第、別途観光庁ウェブサイトにて案内がある予定です。

宿泊施設サステナビリティ強化支援事業

目的

訪日外国人旅行者を中心にサステナブルな旅行や宿泊施設の選択意向が年々高まっています。日本を旅行先として選んでもらうためにも、宿泊施設のサステナビリティ強化が必要です。このため、旅館・ホテル等の宿泊施設が実施するサステナビリティの向上に関する取組を支援していきます。

対象者

民間事業者等

事業内容

宿泊施設における省エネ型ボイラー、太陽光発電、省エネ型空調等の省エネ設備等の導入支援を行います。

事業イメージ(観光庁HPより)

補助金額

事業形態:間接補助事業
補助上限1,000万円、補助率1/2

応募の詳細

【2024年1月25日現在】
当該補助金を提供する補助事業者(事務局)の公募を開始しています。(〆切:令和6年2月8日)
詳細は以下の記事をご確認ください。↓

ブルーツーリズム推進支援事業

目的

本事業は ALPS 処理水の海洋放出による風評への対策として、海の魅力を高めるブルーツーリズムを推進し、国内外からの誘客と観光客の定着を図ることが目的です。 そのため、ブルーツーリズムを推進する地域を公募し、当該地域における、①海水浴場等の受入環境整備、②海の魅力を体験できるコンテンツの充実、③海にフォーカスしたプロモーション、④ビーチ・マリーナ・観光船舶を対象とした環境認証(以下「ブルーフラッグ認証」という。)の取得に向けた取組を支援します。

対象者

当該地域の関係者の合意を得て策定したブルーツーリズム推進計画を、別添様式により観光庁へ提出することとします。
申請者は、岩手県、宮城県、福島県及び茨城県における市町村、観光協会及び観光地域づくり法人(DMO)登録制度において登録された者とします。事業計画には、本事業の目的である観光地域づくりを通じて、海の魅力を高める取組を必ず記載してください。なお、海の魅力を高める取組には、海に入らないコンテンツも対象としています。

事業内容

観光庁が認めたブルーツーリズム推進計画において記載された以下の取組に対する支援を行います。(補助率:8/10、上限額:総事業費は、3,000万円を上限の目安とするが、取組のうち海水浴場等の受入環境整備における施設・設備の改修を含む場合は、5,000万円を上限の目安とする。)

①海水浴場等の受入環境整備
②海の魅力を体験できるコンテンツの充実
③海にフォーカスしたプロモーション
④ブルーフラッグ認証の取得に向けた取組

補助率

  • 補助率:8/10
  • 補助上限額:
    • 総事業費は、3,000万円を上限の目安とするが、
    • 取組のうち海水浴場等の受入環境整備における施設・設備の改修を含む場合は、5,000万円を上限の目安とする。

応募の詳細

申請方法やその他詳細は、当該観光庁HP(こちら)をご確認ください。

インバウンド安全・安心対策推進事業

目的

気候変動の影響で自然災害のリスクが上昇しています。訪日外国人旅行者が災害に遭う可能性もあり、医療機関を受診するケースも増えることが予想されます。観光施設における非常時等の対応や医療機関の訪日外国人旅行者への対応の強化を図って安全・安心な旅行環境を整備し、滞在時間の増加や消費拡大を目指します。

対象者

民間事業者、地方公共団体、DMO等
※一部事業においては地方公共団体のみ

事業内容

現場で訪日外国人旅行者に直接対応をする観光施設や観光案内所、または医療機関等に対し、非常時・受診時の外国人旅行者対応に必要な整備を支援するとともに、地域の災害時等における観光危機管理の強化を支援します。

<具体的な支援内容>
①観光施設等の避難所機能の強化
②観光施設等の多言語対応機能の強化
③医療機関の訪日外国人患者受入機能の強化
④災害時等における観光危機管理の強化

(観光庁HPより)

補助率

事業形態:直接補助事業 (補助率 1/2)
※④については、補助上限500万円

応募の詳細

申請方法やその他詳細は、観光庁HP(こちら)をご確認ください。

地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化

目的

観光地は近年、観光地全体の活力低下(入込客数の減少、収益の低下、投資の停滞による施設の陳腐化や廃屋等の放置)といった課題に直面中です。
本事業で地域全体の魅力と収益力の向上を図り、持続可能な観光地域づくりを推進します。

対象者

民間事業者、都道府県、市町村、DMO等

事業内容

宿泊施設を核とした地域一体となった観光地の面的な再生・高付加価値化を図ります。

<具体的な支援内容>
①宿泊施設の高付加価値化(補助率1/2,2/3)
②観光施設の改修等(補助率1/2)
③廃屋撤去(補助率1/2)
④面的DX化(補助率1/2)

(観光庁HPより)

応募の詳細

申請方法やその他詳細は、観光庁 参事官(産業競争力強化)にお問い合わせください。
また、令和5年度の本事業公式HPはこちらです。
※令和5年度の公募期間は終了しています。

まとめ

今回紹介した2024年に観光事業者が活用できる補助金は、地域経済を大きく発展させるチャンスです。補正予算の情報をふまえて、今一度どの補助金を利用するのがベストか検討しておくことをおすすめします。

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