第7回公募まで終了した事業再構築補助金。最終回とされている8回公募締切は1月13日(金) 18時となっています。
 令和4年度の2次補正予算で延長される可能性は高くなってきましたが、予算規模などはまだ判明していません。2年間に渡って続いた事業再構築補助金も、一旦は今回が最終公募となりました。
 今回は、8次公募の変更点をご紹介していきます。

最低賃金枠の要件見直し

 毎回採択率の高い最低賃金枠ですが、8回公募から要件が緩和・一部変更されました。

変更① 最賃売上高等減少要件の撤廃
 7次公募までの要件であった「2020年4月以降のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で30%以上減少していること(付加価値額45%以上減少で代替可。)」が撤廃されました。
 これによって、要件に該当する方が増えることになりますね。

変更② 最低賃金要件の期間修正
 最賃金要件では、「一定期間の間に3か月以上、最低賃金+30円以内で雇用している従業員が、全従業員数の10%以上いること」が必要です。
 この期間が、7次公募からは約1年間後ろにシフトし、2021年10月から2022年8月までの期間となりました。

変更③ 製品等の新規性要件の緩和
 当該要件は、次の3つから構成されます。
  ①過去に製造等した実績がないこと
  ②製造等に用いる主要な設備を変更すること
  ③定量的に性能又は効能が異なること
 8次公募では、上記の②の要件が撤廃されました。つまり、補助事業では過去に製造したことのない製品等を製造する必要はあるものの、これを”新規設備で製造する必要はない”ということになります。

 ここでは最低賃金枠の変更でしたが、次は緊急対策枠についてご説明します。

緊急対策枠への申請者の明確化

 緊急対策枠では、売上高等減少要件の代わりに、緊急対策要件が課されています。

 通常枠等のコロナ前後の売上減少ではなく、「足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響を受けたことにより、2022 年 1 月以降の連続する 6 か月間のうち、任意の 3 か月の合計売上高が、2019 年~2021 年の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等」ということが要件です。

 そのため、緊急対策枠では、明記こそされていないものの「2021年以降の創業者も補助対象になるのでは?」と考えられてきました。

 8次公募の公募要領では、「売上高等減少要件の代わりに緊急対策要件を課しており、2022年と2021年の売上高を比較して緊急対策要件を満たす場合は、2021年以降に創業した事業者も補助対象になり得ます。」と明記されました。

 コロナ後に創業した事業者も補助対象に含まれたことで、新たな事業にチャレンジできる方も増えたのではないでしょうか。

 続いて、事業完了後に注意が必要なことについてご説明します。

事業化報告のペナルティ強化

 事業再構築補助金では、本事業を完了した日の属する年度の終了後を初回として、以降5年間(計6回)、事業化の状況を報告する義務があります。

 公募要領にもこの旨の記載があり、7次公募では「事業化状況等の報告が行われない場合には、補助金の交付取消・返還等を求める場合があります。」とされていました。

 しかし、8次公募からはこの記載の最後の部分に修正が入り、「~~返還等を求めます。」と言い切る形になりました。「補助金を使うからには、義務も果たしてくださいね」という、国側の強い意思表示といえるでしょう。

 せっかくもらった補助金を返還することになっては元も子もありませんので、まだ先の話ではありますが、事業化報告は確実に行いましょう。

④建物の使用制限の明確化

 この点は正確には8次公募からではありませんが、9月下旬に”よくある質問”に追加されました。建物ではなく、機械装置やシステムでは、計画書内に記載をすれば、その一部を既存事業でも使用することが可能となっていました。

応募申請時の事業計画において、補助金で導入する機械装置・システムを、新規事業だけでなく既存事業の一部でも活用することで、相乗効果を生み出し補助目的である付加価値額の増加に取り組むことを示している場合、補助目的に反しないものとして、既存事業や既存製品の製造等にも一部活用いただくことが可能です。

事業再構築補助金 公募要領より抜粋

 その一方で、建物に関する記載はなく曖昧なままとなっていました。しかしここへきて次の内容が明記されました。簡単にまとめると、補助事業に支障を来たさない軽微な転用であれば、既存事業への使用も認める。といった内容です。

建物に関しては、既存事業など補助事業の目的外で使用することは原則として認められませんが、業務時間外や休日等を利用して補助目的たる事業の遂行に支障を来さない範囲で一時的に転用する場合、又は処分制限財産の一部(施設延べ床面積の概ね10%を超えない範囲。ただし、150平方メートルを上限とする。)について付帯設備の設置を行う場合その他当該転用が極めて軽微であると認められる場合においては認められます。

事業再構築補助金 公募要領より抜粋

 これは補助事業者にとってはマイナスの変更ですが、目的外使用は補助金の返還を求められる可能性があるため、事業実施の際には注意しておきましょう。

まとめ

 いかがでしたか?事業再構築補助金もいよいよ最終回。「8次公募からの変更点」を正確に把握することで、最後の挑戦が実る可能性を少しでも高めていきましょう。

 公募要領は1次公募から徐々に姿を変えてきました。以前の認識が現在はずれているということも、十分にあり得ます。制度をしっかりと把握して採択の可能性を高めるためには、補助金の経験・実績が豊富な専門家の支援が最も効果的です。

 ぜひ、お気軽にご相談いただければ幸いです。最後の事業再構築補助金を獲得することで、コロナ禍・物価高からのV字回復を実現していきましょう!