事業再構築補助金に応募するも、あえなく不採択であったときのショックは計り知れません。とはいえ、通常枠の採択率は約40%です。
 不採択になる企業の方が多いのが実態ですし、審査員との相性も大きいので、不採択でも落ち込む必要はありません。

 大切なのは、不採択をバネに「どう採択につなげるか?」という点です。
 そこで今回は、不採択になった場合、どのように採択に向けて動いていけば良いのかについて解説していきます。

ステップ① 不採択の理由を事務局に問い合わせる

 まず最初に行うべきアクションは、事業再構築補助金の事務局への問い合わせです。
意外に知られていないのですが、事務局へ問い合わせることで、自社の事業計画を審査した審査員のコメントを聞くことができます。

 下記の<ナビダイヤル>0570-012-088<IP電話用>03-4216-4080 から問い合わせましょう。

 問い合わせる際は、コンサルタントなどの代行者ではなく、企業の代表者ご本人から問い合わせいただくことが必要です。
 本人確認のため、申請時の受付番号なども手元に用意しておきましょう。

 要件を伝えて本人確認が済めば、いよいよ審査員のコメントを聞くことができます。コメントはコールセンターの担当者が、口頭で伝えてくれます。「文書でください」とお願いしても対応してもらえません。

 そのため、問い合わせ時は、お手元にメモ紙や入力用にPCをご用意いただくと良いでしょう。中には危機漏れを防ぐために、録音される方もいらっしゃいます。

 いよいよコメントをもらえる訳ですが、審査員のコメントは、事業計画書についての「肯定的なコメント」と「否定的なコメント」が混ざった状態で伝えられます。
 具体的には、「市場規模を推定できている点は良い」「デジタル技術を活用できているとなお良い」といった形ですね。

 コメントの中には、納得できるコメントもあれば、納得いかないコメントもあるものです。それでも、「もっと具体的に書こう」「もっとわかりやすく書こう」などと、前向きに事業計画をブラッシュアップすることが大切です。

 不採択理由を把握できたら、採択事例を見てみましょう。

ステップ② 事業再構築補助金HPの採択事例と比較する

 コールセンターから不採択理由を聞いた後に、自社の事業計画書と採択された事業計画書と比較してみましょう。

 事業再構築補助金HPには、採択されて企業の申請書が参考に掲載されています。
 一部黒塗りの部分などはあるものの、概ねの記載内容や構成が見れるため、とても参考になるものです。

 自社と業種が近い企業の採択事例を見ることで、「自社の事業計画書はこう書けば良かったのか」「こんな表現方法があったのか」「この観点は抜けていた」といった気づきを得られるはずです。

 HPの下の方にスクロールしていくと、「採択事例紹介」という項目が現れます。

 そこをクリックすると、採択事例が見られるページに移ります。10企業の採択事例が掲載されています。

 採択事例と自社の計画書を比べてみて、良いと思った点は積極的にマネをしましょう。ここまで来たら、再度基本に戻ります。

ステップ③ 審査項目の抜け漏れを確認する

 補助金は公募要領に審査項目が記載されています。基本的には、「補助金の趣旨にあっているか?」「その事業は成功できるか?」という観点です。

 事業再構築補助金も例外ではなく、公募要領にしっかりと審査項目は記載されています。第7回公募では、P38,39に記載があります。

(1)補助対象事業としての適格性 「4.補助対象事業の要件」を満たすか。補助事業終了後3~5年計画で「付加価値額」年 率平均3.0%((【グリーン成長枠】については 5.0%))以上の増加等を達成する取組みで あるか。
(2)事業化点
①本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状 況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。また、金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか。※複数の事業者が連携して申請する場合は連携体各者の財務状 況等も踏まえ採点します。
②事業化に向けて、競合他社の動向を把握すること等を通じて市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。市場ニーズの有無を検証できているか。
③補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの 遂行方法及びスケジュールが妥当か。補助事業の課題が明確になっており、その課題の解 決方法が明確かつ妥当か。
④補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性等)が高いか。その際、現在の自社の人材、技術・ノウハウ等の強みを活用することや既存事業とのシナジー効果が期待されること等により、効果 的な取組となっているか。
(3)再構築点
①事業再構築指針に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスク の高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか。※複数の事業者が連携して 申請する場合は、連携体構成員が提出する「連携体各者の事業再構築要件についての説明 書類」も考慮し採点します。
②既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスや足許の原油価格・物 価高騰等の経済環境の変化の影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や 緊要性が高いか。
③市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの 最適化を図る取組であるか。
④先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベ ーションに貢献し得る事業か。
⑤本補助金を活用して新たに取り組む事業の内容が、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の 経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業になっているか。
(4)政策点
①ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済社会の変化に伴い、今後より生産性の向上が見込まれる分野に大胆に事業再構築を図ることを通じて、日本経済の構造転換を促すことに資するか。
②先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。
③新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。
④ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
⑤地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより、雇用の創出や地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む)を牽引する事業となることが期待できるか。
⑥異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。また、異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。

 自社の事業計画書を再読し、これらの項目に対応した記載ができているかを、一つずつ確認していきましょう。

 審査員としては、審査項目に対応した内容の記載がないと、点数のつけようがなくなります。その結果、大きな減点につながる可能性が高くなります。
 面倒だと思ってしまうところですが、ここはしっかりと抑えておきましょう。

ステップ④ 計画書のブラッシュアップ⇔第3者チェック

 不採択理由の把握、採択事例からの学び、審査項目の復習をおえたら、いよいよ計画書のブラッシュアップです。

 この修正での主な作業は、次のとおりです。

  • 不足していた要素の追加(主に審査項目)
  • 表現の修正(抽象的な表現⇒定量的な表現)
  • 不要な文章の削除
  • 構成の変更(審査員が読みやすい構成)
  • 校閲(誤字脱字のチェック)

 これらを行うことで、不採択となった事業計画書とは比べ物にならないほど良い内容に生まれ変わります。

 また、校閲時の最大のポイントは、「計画策定に関わっていない第3者に見てもらうこと」です。
 なぜなら、補助金の採択・不採択の採点をする審査員は、予備知識のない第3者だからです。

つまり、誰が見ても内容が理解でき、しかも優位性を感じ取れる内容でなければいけません。
 事業計画書の内容の良し悪しは、第3者(できれば複数人)に確認してもらいましょう。

まとめ

 いかがでしたか?事業再構築補助金やものづくり補助金のように募集が1回のみでない補助金は、不採択後の再挑戦が可能なものがほとんどです。
 今回ご紹介した手順を踏むことで、採択に近づくことができます。

 その一方、事業再構築補助金のような補助額が高い競争型の補助金は、コンサルタントによる支援が入ることが多いです。
 つまり、採択を争うライバルはプロの手を借りて事業計画書を策定していますので、その中で採択を勝ち取ることは容易ではありません。

当社にご相談いただければ、お客様の業種に精通した実績豊富な中小企業診断士などのコンサルタント補助金採択・事業の成功を力強くサポートします。
 ぜひお気軽にお問い合わせください。

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