新型コロナの影響からのV字回復を支援する「事業再構築補助金」。これまでの「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」では補助対象にできなかった、「建物費」を補助対象にできることで人気を集めています。

ところが、第6回公募からは原則として新築の建物は「建物費」の補助対象外とするという事前アナウンスが中小企業庁から流れ、建物の新築を考えていた企業が困惑する事態となりました。

そこで今回は、第6回以降の事業再構築補助金でも、「新築の建物が補助対象になるか?」について詳しくご説明します。

新築建物の補助対象の可否

 最初に結論から申し上げますと、6回公募以降も「新築の建物を補助対象とすることは可能」です。事前アナウンスから不安を感じていた企業は多かったですが、一安心ですね。

 ただし、何でもかんでも新築なら何でもOKかといいますと、そうではありません。既存の建物の改修などでは新たな取り組みの目的を達成できず、“新築であることの必要性が高い場合のみ”補助対象にできるという、条件付きとなっています。

 それでは、「そもそも建物費とは?」という疑問点をご説明した後に、具体的なケースや注意点をご説明していきます。

建物費とは?

 事業再構築補助金6次公募の公募要領において、「建物費」は次のように定義されています。

①専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設・改修に要する経費
②補助事業実施のために必要となる建物の撤去に要する経費
③補助事業実施のために必要となる賃貸物件等の原状回復に要する経費
➃貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費(貸工場・貸 店舗等の賃借料、貸工場・貸店舗等への移転費等)

事業再構築補助金HPより

 新型コロナの影響からのV字回復のための新規事業において、上記①~④のいずれかが不可欠な場合に、その経費を対象にできます。ただし、②・③のみを行う計画は対象外ですので注意が必要です。

 第5回公募までは建物の新築・改修が対象でしたが、第6回からは建物の新築については条件が付されました。

新築の建物を補助対象とする条件

 建物の新築は、その必要性が認められた場合のみ補助対象にできます。公募要領には、次のような記載が加わりました。

建物の新築に要する経費は、補助事業の実施に真に必要不可欠であること及び代替手段が存在しない場合に限り認められます。「新築の必要性に関する説明書」を提出してください。
事業計画の内容に基づき採択された場合も、「新築の必要性に関する説明書」の内容に基づき、建物の新築については補助対象経費として認められない場合がありますのでご注意ください。

事業再構築補助金HPより

 要約すると、新たに加わった様式である「新築の必要性に関する説明書」に、建物の新築が最も合理的だという理由を明記できればOK。ただし、採択後に補助対象から外れる場合もありますのでご注意を。といった内容です。

 基本的に建物の新築を含む事業計画では、必要性があってそうする訳ですから、ハードルは高くないと思われます。その一方で気になるのは、「新築の必要性に関する説明書」の内容ですね。具体的に見ていきましょう。

新築の必要性に関する説明書

 この説明書に記入する内容は、次の2点です。

①補助事業の概要及び建物費の詳細
 事業再構築補助金を利用して行いたい新規事業の概要を、簡潔に述べます。併せて、建物の新築にどのような費用が発生するかを説明する必要があります。ここでの費用は、見積書を取得した時に記載される工事等の項目と金額を記入すると良いでしょう。
 具体的には、仮設工事・基礎工事・外壁工事・板金工事・塗装工事・水道設備工事・電気設備工事・建材・解体費などが挙げられます。ここでご紹介したものは、あくまでも一部です。応募時には金額も必要ですので、一旦は大まかな見積書を取得しておき、その内容を転記できるとスムーズでしょう。

②新築が必要である理由
 建物の新築が必要不可欠であり、“代替手段”がないことを説明する必要があります。代替手段として想定されるのは、「既存建物の改修」「他社物件の賃貸」などでしょう。
また、新築が必要な理由としては、「既存建物の老朽化が激しく改修はできない」「工場で新規構築するラインは既存工場ではスペース的に設置不可能」「カーボンニュートラルを目指すためのゼロエネルギー工場の実現」「自社工場に隣接する空き地への新築が動線的にベスト」などが考えられますね。

 なお、この説明書は最大でも“2ページ以内”に収まるように作成する必要があります。事務局が求めていることについて、ポイントを押さえ、具体的に記載することには、一定の補助金申請ノウハウが必要でしょう。

まとめ

 いかがでしたか?事業再構築補助金を利用した建物の新築には、一定の制限ができました。しかし、「新築が必要な理由」を明確に説明できれば、要件をクリアすることは難しくないと思われます。

 とはいえ、「新築の必要性に関する説明書」への記載内容は、「事業計画書」と整合性が取れていることは必須条件です。補助金の勘所を押さえた資料作成が必要になりますので、ぜひ補助金支援の経験と実績が豊富なコンサルティング会社の支援を受けて採択を勝ち取りましょう!

 ※当記事はR4.4.2時点の情報をもとに作成しております。最新情報は当社へのお問い合わせ又は事業再構築補助金HPよりご確認ください。