政府は省人化・省力化対策のため、中小企業のロボット導入などに向けた設備投資を後押しする補助金政策を検討していることが先月発表がありました。

内閣府より11月2日、総合経済対策の発表があり、「省人化・省力化」に関する経済対策について閣議決定されました。更新情報をこちらの記事ではお伝えします。

内閣府 総合経済対策:こちら

具体的な経済対策

中⼩企業等の⼈⼿不⾜対応・⽣産性向上への⽀援として内閣府は具体的な経済対策を下記のように大きく2つに分けて提示しています。

①省⼒化投資の⽀援

⼈⼿不⾜に悩む中⼩企業のため、省⼒化に即効性のある汎⽤製品を、カタログから選択

飲食業界で、労働時間の削減を目的とするロボットの導入イメージ

②⼤規模成⻑投資の⽀援

中堅、中⼩企業の⼯場等の新設や⼤規模な設備投資を⽀援し、地⽅における
賃上げにつなげる。

業務効率、生産性向上に向けたロボットの導入イメージ

上記のイメージ図から、飲食業界や物流業界、工場などの具体的な「省⼒化投資の⽀援」と「⼤規模成⻑投資の⽀援」の導入事例を紹介していきます。

参考事例【①省⼒化投資の⽀援】

政府は省⼒化投資の⽀援としてお掃除ロボット配膳ロボットの導入支援を例に挙げています。

近年、サービス業では人手不足が目立ち、外国人労働者に頼っていることが現状です。また、内閣官房が10月に発表した資料によると”働く人手が不足している”と回答した飲食業界は79.4%という結果でした。

参考:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai23/shiryou1.pdf

また、省人化対策に取り組む飲食サービス業界は10%も満たない結果となりました。

参考:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai23/shiryou1.pdf

これから省人化・省力化対策を検討している事業者の皆様へ、参考になる取組事例を3つ紹介します!

株式会社ライフコーポレーション

⼤⼿スーパーマーケット株式会社ライフコーポレーションの3店舗へ、清掃サービスの⽣産性向上と省⼈化を目的とした清掃ロボットの導⼊が2023年6月に決定されました。

ロボットの導入をきっかけに店舗内清掃業務の生産性向上につなげていきたいと考えています。

参考:PR TIMES

参考:みずほ東芝リース株式会社

博多駅

2023年3月にJR九州サービスサポート株式会社では、作業効率化と人手不足解消のため自動床洗浄ロボットを使用した清掃の実証実験を開始すると公式発表がありました。

清掃ロボットを導入することで、少人数で質の高い清掃を行いお客さまに気持ち良く施設をご利用いただけるよう改善に繋げていきたいと話しています。

参考:JR九州サービスサポート株式会社

国産牛焼肉食べ放題 肉匠坂井 入間店

埼玉県入間市にある郊外型店舗の焼肉店「肉匠坂井」では、配膳ロボットを導入しました。配膳ロボットの導入を検討したきっかけは、コロナ禍での採用難が課題として直面し、人手不足に陥りました。

このことをきっかけに、店舗DXを積極的に進めていくことと同時に、配膳ロボットを導入しました。配膳ロボットは人手不足の穴埋めとしてではなく、スタッフの作業負担を少しでも減らして、人にしかできないサービスに注力するために導入を決めました。

参考:株式会社USEN導入事例

参考事例【②⼤規模成⻑投資の⽀援】

経済対策2つ目の事例として、製造業や卸売業でのロボット導入を事例として述べていました。

近年、工場での人手不足に対応するためロボット導入による自動化が進んでいます。ロボットを導入することでどのようなメリットがあげられるのでしょうか。メリットを5つに分けてみました。

①省人化・省力化:人手不足に対応できます。
②コスト削減:初期費用の負担が大きいが、作業効率を見直すことで生産性を高め、コスト削減へ繋げることが可能です。
③生産性向上:ロボットは365日、24時間稼働します。また、危険な作業も人に代わって行うことができる為安全です。
④品質安定:ロボットは精度の高い作業を繰り返し行うことが得意です。そのため、大きなミスを防ぐことができます。
⑤高付加価値化:ロボットは高精度で的確に不良や不具合を見抜きます。

このように多くのメリットが見られます。ロボットと人の力をうまく使い分けすることで省人化・省力化対策が見込めます。

参考:安長電機株式会社”産業用ロボット導入のメリット”

具体的な対策例を3つ紹介します。

有限会社ヤスダヨーグルト

はっ酵食品総合メーカーの有限会社ヤスダヨーグルトは、商品の入った段ボールの運搬用のカゴ台車に積み上げる作業に、人協働ロボットを導入しました。

同社は、生乳にこだわった商品づくりをしています。そのため、商品の賞味期限が短く、年中無休で製造を行っています。しかし、重い商品を扱う作業は肉体的に辛く人手不足も課題でした。そこで人と協働するロボットを導入。結果、人手不足の解消作業者の負担軽減を実現できました。

参考:安川電機 導入事例

ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 群馬工場

飲料、スープ、豆乳ヨーグルトなどの製造を行う群馬工場では、パレタイズ作業による作業者への負担が大きな課題として取り上げられていました。

作業負担の軽減を目的として導入したロボットは、業務負担の軽減働く人たちにとって安全安心な職場づくりが目に見える形で実現しました。人協働ロボットは「コンパクトで搬入出の妨げにならないこと」「パレットの抜き差しがしやすいこと」「設置場所の自由度が高いこと」が導入するメリットでした。ロボットが作業する時間を、今後はより創造的な業務に費やせる時間を増やしていきたいと話をされています。

参考:株式会社FAMS導入紹介

SBSリコーロジスティクス株式会社

物の流れを創る仕事として活躍しているSBSリコーロジスティクス株式会社では、DXとロボットを導入することによって労働力不足の解消や、業務の生産性向上状況把握の迅速化(「見える化」の高度化)など省人化・省力化対策を進めています。

同社の物流センターでは、物流現場の自動化・省人化・省スペース化の実現を進めています。負担が大きかった作業を、自動化に進める同社では多数のロボットが導入されています。

作業負担の軽減や人手不足の解消を目的に省人化・省力化対策を進めていく物流現場での参考事例となります。

オートストア(自動倉庫型ピッキングシステム)

参考:物流DX&ロボティクス

まとめ

政府は中堅・中⼩企業の⼯場等の新設や⼤規模な設備投資を⽀援し、地⽅における賃上げにつなげることを目的とした経済対策を今月、閣議決定しました。

現時点で、省人化・省力化対策の検討をしている事業者は計画的に補助金申請を進めていくことをお勧めします。

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