目次
難易度の高い大型補助金の「事業再構築補助金」と「ものづくり補助金」。
これらの競争型の補助金を獲得するためには、自力での申請書作成は難しいため、コンサルタントを活用する企業が多いのが現状です。
この時に大切になるのが、「良いコンサルタントを選ぶこと」です。
ある意味、ここで「補助金の採否」「円滑な補助事業の実施の可否」が決まるといっても過言ではないでしょう。
そこで、今回は「良いコンサルタントの見分け方」について解説していきます。
良いコンサルタントとは?
まず、良いコンサルタントはどのような人でしょうか?考え方は様々ですが、補助金に限定して考えると、大きく次の4点が挙げられます。
①補助金に採択される可能性が高い
⇒コンサルタントは「採択」という結果を出すことが前提です。
②採択後のサポートがある場合、円滑に補助金交付まで導いてくれる
⇒採択後のサポートを行っているコンサルタントについては、経営者や補助金事務局と連絡を密に取り、補助金の交付を実現してくれることが重要です。これには最低限のコミュニケーション能力も必要です。
③補助事業終了後の注意点も教えてくれる
⇒補助金を使った後には毎年の報告や取得した財産の処分制限などの義務があります。このような注意点を、しっかりと教えてくれるコンサルタントだと、補助金獲得後のリスクも下げられます。
それでは、良いコンサルタントを見極める具体的な内容を見ていきましょう。
コンサルタント報酬が高すぎない
補助金コンサルタントの多くは、報酬の体系を「着手金○○万円」+「成功報酬○○%」という形にしています。
まず着手金ですが、一つの目安として「10万円+税」が一つの目安です。
この金額が高すぎる場合は、成功報酬がもらえない可能性が高いと宣言しているようなもの。採択の可能性を高くできる自信があるコンサルタントであれば、成功報酬を計算できるため、着手金を高く設定する必要はありません。
次に成功報酬ですが、これは相場をみると5%~20%と様々です。
この報酬のパーセンテージとコンサルタントの実力に相関はないと思って良いでしょう。補助金の支援はスポットが圧倒的に多いため、ある程度言い値が通るからです。
では成功報酬がいくらであれば、良いコンサルタントと言えるでしょうか?
概ね15%までが許容範囲と考えられます。コンサルタント報酬が高い場合、せっかく企業に入るはずの補助金が減少。国の補助金の意味が薄れてしまいます。
良いコンサルタントは補助金の意味を理解しており、企業を応援したい気持ちも強いため、成功報酬は5%~15%の範囲内に設定することがほとんどです。
申請する補助金の制度について理解が深い
コンサルタントと契約する前に、活用する補助金の説明や、コンサルタントとの契約内容の確認は欠かせません。
「金融機関やお知り合いの経営者の紹介だから」と二つ返事で契約するのはトラブルの元になりますし、採択から遠のく可能性があります。
まずはコンサルタントの該当する補助金への理解度を測りましょう。
これは難しいことではなく、とにかく「補助金の疑問点」をストレートに聞いてみればOKです。たとえば、「採択と交付決定はどう違うのですか?」「補助金が入るのはいつ頃ですか?」といった具合です。
経験豊富なコンサルタントであれば、その経験をもとに的確な説明をしてくれます。
また、公募要領に書いてあることだけでなく、文書化されていない補助金独特の慣習などについても教えてくれるでしょう。
逆に、コンサルタントが自分の言葉でなく公募要領やパンフレットを読み上げるだけの場合、補助金への理解が少ない可能性が高くなります。
このように、まずは申請をお考えの補助金について説明を受けることで、コンサルタントの補助金への理解度を把握しましょう。続いて、コンサルタントが信頼できるか否かを探っていきます。
判断が難しいことは確認して折り返してくれる
補助金は、公募要領からすべてを読み取れるようにはなっていません。記載内容から、「恐らくこういうことなのだろう」と推測しかできない項目などもあります。
また、単純に白黒をつけられる類のものもあれば、グレーで個別判断となるケースも存在します。
補助金の概要説明を受けた後には、自社での申請を前提とした質問を投げかけてみましょう。補助金の経験が豊富で理解度の高いコンサルタントであれば、白黒つけられる内容でしたら即答してくれるはずです。
ただ、歴戦のコンサルタントでも即答できない内容は少なからずあります。
補助金の種類が異なれば事務局も異なるため、たとえば「機械装置費」という補助対象経費であっても、□□補助金では補助対象だが、△△補助金では補助対象外。ということはよくあります。
このように判断が難しい場合に、自信のない様子で「これは○○だと思います…」で終わらせるコンサルタントはあまり信頼できないと思って良いでしょう。
そうではなく、「□□事務局に問い合わせて確認してからお伝えしますね」「いまから事務局に確認しますね」と対応してくれるコンサルタントが理想です。
このようなコンサルタントは補助金の採択以降のサポートでも、分からないことは事務局に聞きながら進めてくれるので安心できます。
逆に、このような確認を怠るコンサルタントは、「グレーな部分を自身の判断で進めて後でトラブルになる」という事態を頻繁に起こします。
こうなると、補助金の交付時期の遅れ、最後の最後で補助金がもらえなくなる。といった大事故の発生も考えられるため、契約は避けることが無難です。
最後に、信頼感という意味で最も大切な事項をご説明します。
補助金のメリットだけでなくデメリットも十分に説明してくれる
補助金は、新たな取り組みに要する「持ち出し」を削減できるのが大きなメリットです。補助金の存在によって、積極的な事業展開が可能となるケースもあります。
しかしながら、少なからずデメリットも存在します。たとえば、次のような内容が挙げられます。
①事務手続きが煩雑で手間を要する
補助金には独自のルールがあり、通常の商習慣では必要でない書類の整備が必要になります。たとえば、見積依頼書や注文書などです。
通常は電話やメール・FAXなどで見積り依頼や注文することが多いですが、補助金を使う場合は、証拠としてすべて書類として残すことが欠かせません。
また、一連の経費関連書類の整合性も事務局から厳しくチェックされるため、書類の修正・差し替えを何度も繰り返すことになります。
②事業展開のスピード感が落ちる
補助金事業での設備投資や広告宣伝などの取り組みは、基本的に「採択⇒交付申請⇒交付決定」というステップをクリアしてはじめて行えます。つまり、交付決定までは設備などの発注をすることができません。
そのため、応募申請から発注可能になるまでに短くて3カ月、長いと半年以上も待ち時間が発生するため、スピード感ある経営が阻害されます。
勝ち筋が見えており、絶好のタイミングを逃したくない場合は、補助金を使わないという選択も考えるべきでしょう。
③最後まで補助金の交付は確実ではない
これは新しく実績が少ない補助金、現在でいうと事業再構築補助金が特に該当します。
補助対象となる予定で購入した物件が、実は補助対象外となって持ち出しとなる。実は、このようなケースが散見されています。
補助金の運用ルールが途中で変更になることもあるくらいですから、「採択されたら必ず補助金がもらえる」と思うのは危険です。補助金を活用する際は、このことを認識しておくことが必要でしょう。
④補助金の交付後も返還が必要なケースがある
たとえ補助金の交付を受けても、それで終わりではありません。5年間はネット上から事業状況の報告が必要です。この報告で大きな利益が出ると、その一部を国庫に納付しなければならないという制度があります。
また、補助金で購入した機械や建物を耐用年数の期間内に処分(売却・譲渡・廃棄等)する場合は、一定額の補助金返還が必要です。
このような制度をしっかりと理解しておくことで対策が取れますが、コンサルタントからの説明を受けていないと、十分な対応が難しくなります。
これらの補助金のデメリットを、隠さずにしっかりと説明してくれるコンサルタントであれば、信頼できると思って良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?良いコンサルタントを選ぶことは、補助金の採否だけでなく、補助金交付までの円滑な手続きの実現や、その後の補助金返還防止などのリスク管理にもつながります。
実力と実績があり、誠実なコンサルタントを選ぶことが成功への第一歩です。当社には、信頼できる実績豊富な中小企業診断士などのコンサルタントが多数在籍しており、補助金採択・事業の成功を力強くサポートします。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
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