最近ではChatGPT やAIを搭載した検索エンジンなどがたくさん発表されていて、調べ物をするのもとても簡単な時代になりましたよね。でもAIはまだまだ完璧ではなく、AIを搭載しているからと言って、検索エンジンが正しい情報だけを選りすぐって教えてくれるわけではありません。AIは嘘の情報を生成したりするため、まだ人の目による情報の精査は必要です。
特に、科学的に裏付けされた正しい情報を探すのはなかなか難しいですよね。そういう時に便利なのが、今回ご紹介する「Consensus」です。
Consensusとは
Consensusは、調べたい情報に該当する学術論文を探し出し、さらに論文内から質問に対する答えを抽出してくれるAI搭載の検索エンジンです。
「AIの力で、全ての人が科学にアクセスでき、消費できるようにする(Our mission is to use AI to make science accessible and consumable for all.)」という企業理念を掲げているだけあり、完全無料でサービスを利用でき、ダウンロード等も不要なため、使い始めが非常に簡単になっています。
また、Consensusは、査読(同専門分野に関して権威ある研究者達によって評価・訂正する制度。「Peer Review」)を経て発表された論文のみから検索をするため、Google等のブラウザで検索をするよりも遥かに正しい可能性が高い検索結果が出ると言えます。
機能
- 査読を経た論文から検索結果を表示
- 検索結果の上位5~10位の論文から要約を生成
- 検索の仕方がYes/No質問の場合、上位の論文の中ででYes/Noどちらの答えが多いか統計を取ってくれる(「Consensus Meter」)
- 読んでみたい論文があったら、検索結果から全文が読めるサイトに飛べる
- 検索結果をSNS等でシェアを直接Consensusからできる
使ってみた
Consensusを使うには、HPに行って検索バーから調べたい事を入力するだけ!
今回は検索候補の中にあった「Are eggs healthy?(卵は体にいいの?)」という検索をしてみました。すると上位10位の論文からの要約と、13個の論文から取った統計を出してくれました。
Consensusによると、77%の論文は「Yes」と答えて、23%の論文は「Possibly(可能性がある)」と答えている、との事です(13個中10個の論文が「Yes」3個が「Possibly」)。
要約とConsensus Meterの後に、論文が以下の画像のように一覧で表示されます。
赤丸の箇所に、「Yes」と言っている論文なのか「No」(もしくは「Possibly」)と言っている論文なのか一覧の状態で表示してくれているため、非常にわかりやすくなっています。
また、赤いやじるしの箇所では、「SciScore」という論文を評価するサービスを使って評価された結果(「Very Rigorous Journal」=上位10%)や、論文内でどのくらいの引用がされているかが一目でわかります。
赤い下線部では、著者や、その論文がいつ書かれたかなどもパッと見てわかりますね。
まとめ
今回は学術論文に特化したAI検索エンジン「Consensus」をご紹介しました。検索して見つける難易度が少し高い学術論文、Consensusを使えば一発で見つかりそうですね。仕事や研究で科学的根拠が必要な時はもちろん、大学生の論文作成時にも活用できます。使用は完全に無料なので、気になった方は是非チェックしてみてください!
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