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中小企業等が行う生産性の向上、新商品・サービスの開発を補助するものづくり補助金。機械装置・システム構築・ソフトウェアなどの設備投資費について、1/2~2/3の補助を受けられる使い勝手の良い補助金です。
2022年12月下旬が締切りの第13回公募で終了の予定でしたが、令和4年度の2次補正予算に組み込まれ、秋の臨時国会で成立する見込みとなりました。つまり、来年度も継続されることが決定的な状況です。
今回は、従来のものづくり補助金と、令和4年度2補正ものづくり補助金の変更点についてご紹介します。
従来の「ものづくり補助金」の概要
ものづくり補助金は、生産性の向上や新商品・サービス開発による経営革新をサポートする補助金です。コロナによる経営危機から脱するための事業再構築補助金のような、売上高減少要件などがなく、使いやすい補助金です。
ただし、申請のためにはいくつかの条件があります。具体的には、主に次のような条件を満たす必要があります。(詳細は公募要領をご参照ください)
①事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加する3~5年の計画を作る
②給与支給総額を年率平均1.5%以上増加する3~5年の計画を作る
③補助事業実施場所の全従業員の給与を地域別最低賃金+30円以上とする(時給換算)
このように、「賃上げ」が前提の補助金となっています。業種によって賃金の相場は異なりますので、例えば縫製業や農業などは申請しにくく、金属製品製造業・建設業などは申請しやすいといった側面があります。
具体的な用途としては、金属加工業者が旋盤やマシニングセンタなどの工作機械を導入する、物流事業者が倉庫管理システムを導入する、建設業者がICT建機を購入する、農業者がトラクターや農薬散布ドローンを導入する、といったケースがあげられますが、これはほんの一部。様々な業種で多様な使われ方をしています。
それではここからは、来年の「ものづくり補助金」について見ていきましょう。
令和4年度2次補正 ものづくり補助金の概要
11月10日に、中小企業庁から、ものづくり補助金のPR資料が発表されました。こちらがその資料の抜粋です。
それでは、詳しく解説していきます。
グリーン枠の拡充
令和2年度補正から追加された「グリーン枠」が拡充されます。グリーン枠とは、温室効果ガスの排出を削減する取り組みが申請できる枠であり、補助金の上限が大きい一方、要件が厳しく敷居が高いのが特徴でした。
令和4年度補正からは3段階の補助上限となり、それぞれに要件の難易度が設けられ、申請のハードルが下がる見込みです。
革新的なカーボンニュートラルにつながる取り組みとは言えなくても、グリーン枠の対象になる可能性がありますので、公募要領を要チェックですね。
グローバル市場開拓枠の新設
グローバル展開の枠自体現在も存在していますが、令和4年度補正では、従来の海外展開のサポート施策であったジャパンブランド事業が、ものづくり補助金に統合される形となりました。
こちらの枠では、海外展開のブランディング・プロモーション等の経費が補助対象となることに加え、海外事業の拡大等を目指した設備投資についても、補助金の対象とできます。円安のメリットを活かしやすい枠といえるでしょう。
大幅賃上げで補助金額アップ
回復型賃上げ・雇用拡大枠を除いたすべての累計で、大幅な賃上げをすれば補助上限を最大1,000万円引き上げる措置が講じられます。具体的には、3~5年間の事業計画期間の終了後に、補助事業を実施した事業所内の最低賃金を年45円以上引き上げるなどの賃上げ策を実行すれば、補助金の増額を享受できるようになります。
とはいえ、あまりに大きな賃上げを行うと、国からもらう補助金以上に、賃上げによる支出が増加してしまうことが考えられます。しっかりとシミュレーションしたうえで、選択する必要があるでしょう。
令和5年、6年の2年間は実施が確定
生産性革命事業には、国庫債務負担を含めて4,000億円が措置されます。詳細は次のとおりです。
ここに書いてあるとおり、ものづくり補助金が属する生産性革命推進事業では、令和6年度までの長期的な予算措置となっています。
つまり、2年間の実施は確定ですので、恐らく3カ月に1度の公募ペースであれば、第6回公募あたりまでは実施されるのではないでしょうか。2年間の予算ということは、2年間で消化しなければいけない可能性が高いので、2年間丸々公募期間というワケではなく、最後の公募回の事業完了(補助金交付)が2年間で終わるスケジュールかもしれません。
また、来年度の補正予算で積み増しがされるようでしたら、さらに延長となることも考えれられますので、まだ先の話ではありますが、ここにも期待したいところですね。
まとめ
いかがでしたか?第13回公募で終了かと思われたものづくり補助金でしたが、令和4年度補正予算によって再登板することが決まりました。しかも、グリーン枠の多様化、グローバル市場開拓枠の追加で、使用範囲が大きく広がります。
地域別最低賃金+30円が実現できる事業者様は、ぜひ前向きにものづくり補助金にチャレンジしていただき、設備投資費用を1/2~2/3の補助を狙っていきましょう!
とはいったものの、この度のように申請類型のパターンが増えるということは、補助金制度が複雑化するということでもあります。公募要領が公開されてから、熟読することになりますが、これには膨大な労力・時間を割くことになります。
そのうえで、要領に沿ってポイントを押さえた事業計画書の策定・必要書類の整備・電子申請が必要です。これは言うのは簡単ですが、実際に行うのは簡単ではありません。
そこでオススメしたいのが、外部の専門家との連携です。当社には、補助金の採択実績が豊富な中小企業診断士などのコンサルタントが多数在籍しており、補助金採択・事業の成功を力強くサポートします。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
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業種や用途も様々で、代表的な活用方法としては、製造業による加工機械・検査機器の導入や、建設業による重機や計測器・ドローンの導入、農業によるトラクターや精米機・選別機の導入などが挙げられます。
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