観光業界において予約管理顧客満足度向上など、さまざまな課題に取り組む必要があります。一方でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、効果的なツールの選定が重要な課題となっています。

本記事では、最新のテクノロジーを駆使したツールの数々を紹介しながら、観光業界のDXを促進するたに役立つおすすめツールを紹介していきます。

ホテル・旅館の混雑を丸ごと見える化「Vacan」

画像引用:Vacan

概要

飲食店や宿泊施設などをサービス業界にむけて、混雑に関する課題を解決するサービスの商材を扱います。

同社は、アイデア と テクノロジー で「混雑」の課題に挑戦。例えば、飲食店や避難所の混雑状況をリアルタイムで配信したり、トイレの混雑状況を、そっと個室の中に伝えたりなど人やモノが動く場所、その全てにAI・IoTで人の流れを最適化するサービスを提供します。

主な機能

リアルタイム混雑情報を配信
空きあり、やや混雑、混雑等の段階表示が可能です。フロント、レストラン、大浴場、プール等で活用されています。

リアルタイム待ち時間情報を配信
カメラで検知した状況をリアルタイムで解析。 「場所」「混雑状況」を基に「待ち時間」をAIが解析し、解析結果を自動で表示します。フロントやレストランで活用されます。

デジタル整理券機能
デジタル整理券の発行で、今何組待っているのかを表示することが可能です。さらに、順番になるとお客様へ通知する機能も提供しております。スマートフォンをお持ちでないお客様向けにも、物理的な発券が可能です。レストランやマッサージ施設等で活用されます。

バカンはあらゆる機器に表示可能
・スマートフォン
遠隔でいつでも各施設の混雑状況を確認することが可能です。客室にQRが載っているポップを置くことで、宿泊客は手元のスマートフォンで確認できます。
・各施設の混雑状況をサイネージで一括配信
レストラン、フロント、大浴場等、あらゆる場所の混雑状況を各所にあるサイネージへ一括配信することができます。行動の選択肢を提供することで施設内の回遊性が高まり、体験価値の向上に繋がります。
・VOD連携
ホテル内の既存システムとの連携により、さらなる利便性の向上が見込めます。VODのシステムと連携することで、宿泊客様は客室から各所の混雑状況を確認できます。

導入事例①JR東日本 クロスステーション

画像引用:Vacan

事業者情報

小売業、商業施設への導入

導入前の課題

  • 施設が広く飲食店が点在しているため、利用者の方に飲食店の場所をより分かりやすく周知できる方法を探していた。また行ってみなければ空いているかがわからないことによるユーザー満足度の低下を防ぐ方法が求められていた。
  • 駅チカという施設の特性上、利用時間帯によって大変混雑することがあり、施設内における混雑の分散化や平準化の重要性が高まっていた。
  • 「東京駅=いつも混んでいる」というイメージを持たれてしまうことで、利用者が少ない時間帯があるにも関わらず利用を敬遠されるなどの機会損失が生じていた。

導入のきめて

  • 混雑の検知・配信が自動でできる
    AIカメラを設置することで、基本的に従業員などは何も操作をしなくとも混雑状況を自動的に検知・配信できる点。従業員のリソースを圧迫せずに活用できるため、導入に対するハードルが低かった
画像引用:Vacan
  • 混雑状況や待ち人数などを分かりやすい形で表示できる
    駅チカ施設に複数のIoTサービスを導入した結果、異なる混雑データを統一的に表示できるようになり、利用者にとって分かりやすい形で混雑情報を配信できるようになった。また、配信先を柔軟に変更でき、地図との連携も可能で、利用者満足度の向上が見込める。
  • 混雑データの取得・蓄積
    これまでは各店舗の混雑状況をリアルタイムに把握するのが難しかったが、サービスを導入したことで時系列に沿って店舗の混雑状況や傾向といった混雑データを得ることができる点。
画像引用:Vacan

導入後のメリット・効果

  • 利用者アンケートなどでお褒めの言葉が増加
    サービスを導入してから、施設でとっている利用者アンケートで混雑可視化・抑制に対するポジティブな声が増加。また「店舗に行ったら混んでいて入れなかった」ケースに対してお客様から改善の声をいただくことがあったが、サイネージを通して行かずとも混雑状況を確認できるようになったことでそれらが減少した。顧客満足度の向上に効果がでていることを確認できた。
  • 混雑データを人員の最適配置に活用
    これまで取れていなかった混雑データを取得できる様になったことで、肌感覚ではなく実績として混雑ピークなどを確認できるようになった。それらのデータを活用し、混雑時の案内人員の人数や配置場所などをデータに基づき効率的に配置するなど、業務の効率化が期待できる。
  • 「ながら待ち」による動線の増加効果
    店頭ではなくオンライン上で順番待ちができるようになったことで、待ちながら買い物をしたり、施設内を歩き回ったりと利用者の動線が増えるといった効果が期待できる。

導入事例②ジョイナス

画像引用:Vacan

事業者情報

卸売・小売業、お手洗いの長時間利用を抑止するIoTサービス「VACAN AirKnock Ads」を利用

画像引用:Vacan

導入前の課題

・館内に相鉄線の横浜駅があり買い物以外にも通勤・通学、乗り換え等様々な目的で利用される方が多いため、館内トイレの利用頻度も高く列ができるトイレが散見された。

・主要な入口のある1階や地下1階、改札口のある2階トイレなどに利用が集中し、利用頻度の分散化や平準化に課題があった。

導入のきめて

顧客体験の向上
トイレの混雑というショッピングセンターの評価にも直結しかねない課題をテクノロジーによって解決できる点

トイレのメディア化による情報発信面の増加
サービス導入によりトイレ内に設置されたタブレットを活用して、トイレというこれまでにない新しい情報配信面を得られる点。トイレ個室という場所の特性上、高い視認性が期待できることも決め手となった

導入後のメリット・効果

トイレという新たな配信面の獲得
トイレ個室内のタブレットを用いて、ポスターやチラシではない新しい訴求媒体としてセールやキャンペーン情報を配信できるようになった

画像引用:Vacan

キャンペーンや告知に対する流入が増加・加速
個室内で配信することによる視認性の高さにより、キャンペーン等の告知を配信してからキャンペーンに対する問い合わせをいただくまでのスピード感や頻度が、チラシやポスターに比べ格段に早く多くなった

導入事例③箱根・芦ノ湖 はなをり

画像引用:Vacan

事業者情報

宿泊業

活用場所:フロント、大浴場、レストラン、館内施設

導入前の課題

・系列ホテルでも、お客様からレストランや大浴場の混雑に関するご意見が寄せられており、何らかの対策を講じる必要があった

導入のきめて

・空き検知・情報配信についてのVACAN独自の技術
・カスタマイズ要件等に関する柔軟さ

導入後のメリット・効果

・お客様が事前に混雑を確認でき、ご利用の時間帯を考慮いただける

画像引用:Vacan

サイト公式URL

申し込み方法やその他詳細は、当該HP(こちら)をご確認ください

客室インフォメーションシステム「Inforia」

画像引用:シャープ

概要

シャープが開発した宿泊施設向け最新客室インフォメーションサービスです。
宿泊施設スタッフと客室ゲストのコミュニケーションを非接触・非対面で行えるソリューション。驚くほど低コストで導入も簡潔化されています。スタッフには業務効率化を、ゲストには安心安全なサービスを提供します。

主な機能

機能①「タイムリーに情報をお伝えしたいけど、システムの更新には時間もお金もかかってしまう…」

圧倒的な使いやすさでタイムリーに情報更新を
わかりやすい管理画面からメニューの入れ替えや文章の編集、画像の差し替えがかんたんにできます。テンプレートを使って、新しくコンテンツを作成いただくこともできます。

機能②「ルームサービスや、有料サービスの案内を強化したいけど…冊子の準備やフロントコールへの対応が大変そう」

画面からルームオーダーや備品を受付可能
テレビ・タブレット・スマートフォンからフロントコールなしに注文の受付が可能。レストランメニューやサービス内容が変更になった場合も、印刷や貼替えの手間がなく、かんたんに更新することができます。

機能③「ランドリーが使われているかどうか客室から確認したいな…」

ランドリーの利用状況を表示可能です
ランドリーの空き状況を確認できます。指定の機器と連携すれば、終了時間まで細かく確認できます。

機能④「いつも見ている動画サービスを客室でも見れるようにしたいな…」

いつもの動画配信サービスを閲覧できます
キャスト機能でゲストのスマートフォンから動画を、かんたんにテレビで再生することができます。また、テレビからYouTube™をはじめとした、動画配信サイトも利用できます。※AndroidTV™との連携が必要です。

導入メリット

各社メーカーのテレビ・スマホ・タブレットに対応
テレビがAndroid OS対応であれば、メーカー問わずご利用いただけます。客室の環境に合わせて、非AndroidテレビとSTB、タブレット、客室ゲストのスマートフォンでもご利用いただくこともできます。

圧倒的に使いやすい管理画面
かんたんな操作で画面の更新ができます。使いやすさは業界トップクラス。ストレス無くタイムリーな情報をゲストにお届けでき、紙の印刷も不要になります。

低コストでかんたん導入
低コストから導入・運用が可能です。既存のホテルインフォメーションシステムと比較して下さい。コストシミュレーションも可能です。

売上げアップに貢献
ルームオーダーや施設予約を受け付けることができます。かんたんなリモコン操作で注文や予約をすることができ、管理画面で即時注文内容を確認できます。

導入事例①金沢 彩の庭ホテル

画像引用:Inforia

事業者情報

「上質な金沢の空間と時間」を感じていただく「金沢の別邸」をコンセプトに、気軽に泊まれる宿泊特化型のホテルをモデルにシティホテルの安全性、信頼性や旅館の寛ぎ感も兼ね備えたホテルを目指しています。

導入前の課題

ホテルの開業から7年経ち、以前使っていたVODシステムが切り替えのタイミングでした。テレビ選定の際に、世間的にAndroidテレビと言われていたことと、テレビとホテルシステムとの連携を検討していましたので、シャープのInforiaが機能的にも合致し導入を決定しました。

また、以前使用していたVODシステムにInforiaと同じような館内案内の画面はあったのですが、そこの情報をホテル側が自由にカスタマイズする機能はなく、管理会社に連絡する必要がありました。特にここ最近は、館内施設の営業時間の変更、設備の変更などが頻繁にありましたが、その都度管理会社に連絡して、情報が切り替わるのに1週間ほど必要だったため、手間と時間がかかるのが課題でした。

導入後のメリット・効果

・ホテルの施設案内や観光案内、施設の混雑状況などを表示しています。今までは掲載内容の変更がある度に管理会社に連絡していましたが、Inforiaは掲載する内容を自分で変更することができ、使いやすいと感じています。

画像引用:Inforia

・これまで客室に宿泊約款や観光案内を紙ベースで冊子として置いていましたが、すべてInforiaで表示しペーパーレス化しています。内容に変更があった時にすべての部屋の冊子を差し替えする必要がなくなり、業務の手間が軽減されました。

ホテルの情報をInforiaの中に集約できるので、お客様にとってもわかりやすく、館内施設に関する質問が減りました。特に、コロナ禍になり大浴場などの館内施設の混雑状況をQRコードを読み取ってお客様の携帯電話に表示するようにしていましたが、年配の方から使い方に関して問い合わせが多くきていました。それをInforiaに表示したことでお客様もテレビをつけるだけで簡単に確認できるようになり、問い合わせの数も減少しました。

・グループ関連旅行会社の金沢アドベンチャーズのツアーをホテル客室のInforiaに掲示しております。ご宿泊のお客様には滞在に集中していただきたいという思いがあったため、館内での営業などは極力避けていましたが、Inforiaを利用することで、お客様に不快な気持ちを与えることなく私たちの伝えたい情報を効果的に届けることが可能となりました。Inforiaを単にホテル館内の情報を掲示するツールとしてだけではなく、新しいビジネスツールとしての位置づけでも利用することで収益につなげています

サイト公式URL

申し込み方法やその他詳細は、当該HP(こちら)をご確認ください

AI需要予測ツール「とっとり宿泊予報プラットフォーム」

画像引用:とっとり宿泊予報プラットフォーム

概要

県内旅館業者をはじめとする7者で構成する「鳥取県観光DXプラットフォーム推進コンソーシアム」は、旅館単位での宿泊需要を予測できるシステムを構築・実証運用に取り組み、その成果として、「とっとり宿泊予報プラットフォーム」を構築しました。

とっとり宿泊予報プラットフォームは、宿泊施設が保有するPMSなどの予約データと連携することで、周辺の混雑状況も加味したAIによる180日間の需要予測データを見える化・活用できるサービスです。効率的な休館日の設定やレベニューマネジメントの役にたちます。

主な機能

とっとり宿泊予報で休館日設定

画像引用:とっとり宿泊予報プラットフォーム

宿泊者数予測で効率のよい休館日設定が可能
とっとり宿泊予報プラットフォームでは、AIによる需要予測をもとに、先180日間の宿泊客数の予測や、繁閑の傾向を示すことができるため、予測に基づきながら、効率的な休館日を設定することが可能です。

とっとり宿泊予報でダイナミックプライシング

画像引用:とっとり宿泊予報プラットフォーム

もっとも売上に貢献できる日がわかるのでダイナミックプライシングが可能
レベニューマネジメントを効果的に行うには、自館の「需要」を正しく知る必要があります。とっとり宿泊予報プラットフォームでは、AIによる需要予測で総宿泊者数に加えて、棟別・部屋・グレード別のように施設単位での予測値を提供することが可能です。
これにより繁閑のニーズを見越しながら、棟や部屋・グレードの価格設定を柔軟に行うことができます。

とっとり宿泊予報で販売量の最適化

画像引用:とっとり宿泊予報プラットフォーム

チャネル別の売上推移がわかるので在庫の配分を最適化出来る
さらに販売チャネル別の予測も提供し、サイトコントローラなどを通じた在庫設定を見直すことができます。

導入事例

画像引用:とっとり宿泊予報プラットフォーム

補助金のお知らせ

画像引用:とっとり宿泊予報プラットフォーム

とっとり宿泊予報プラットフォームは「IT導入補助金」の活用が可能です!

IT導入補助金

IT導入補助金は、複数年にわたって中小企業の生産性向上を継続的に支援する「生産性革命推進事業(ものづくり補助金・持続化補助金・IT導入補助金)」のひとつです。『とっとり宿泊予報プラットフォーム』は、以下の条件の下でITツール登録しており、初期費用と月額利用料に、IT導入補助金をご活用いただけます(交付申請後、所定の審査を経て交付決定がなされた場合)

通常枠
類型A類型
補助額5万円~150万円
機能要件1プロセス以上
補助率1/2以内
対象経費ソフトウエア購入費、クラウド利用費(クラウド利用料最大2年分)、導入関連費

※通常枠とは、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助。経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図っていくことを目的としているものです。

※「プロセス」とは、業務工程や業務種別のことです。

スケジュール(通常枠)

8次締切分締切日2023年11月27日(月)17:00
交付決定日2024年1月9日(火)(予定)
事業実施期間交付決定~2024年6月28日(金)17:00
事業実績報告期限2024年6月28日(金)17:00
9次締切分締切日2023年12月25日(月)17:00
交付決定日2024年1月29日(月)(予定)
事業実施期間交付決定~2024年7月31日(水)17:00
事業実績報告期限2024年7月31日(水)17:00

公式URL・その他応募の詳細

公式URLやその他応募の詳細は、当該HP(こちら)をご確認ください。

サイト公式URL

申し込み方法やその他詳細は、当該HP(こちら)をご確認ください

まとめ

観光業界のDXを促進するためには、効果的なツールの導入が不可欠です。これらのおすすめツールを活用することで、より効率的な事業運営や顧客満足度の向上が図れます。
ぜひ導入検討をしてみてはいかがでしょうか?

観光DXやお役立ち補助金情報について別途記事でも紹介をしています。併せてご参考ください!

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