令和5年度補正予算で大きな注目を集めている「グローバルサウス補助金」(正式名称:グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金)。新たに創設される制度のため、内容がイメージしづらくなっていますが、一体どのような補助金なのでしょうか?詳しく解説していきます。

グローバルサウス補助金とは

“グローバルサウス”とは、インドやインドネシア、トルコ、南アフリカといった南半球に位置する新興国・途上国の総称です。これらの国々は、産業・保健・防災・食糧をはじめとした多くの問題を抱えています。

そこで、経産省はグローバルサウスの国々が抱える諸問題を、日本企業による各種インフラの構築等を起点として解決していく方針を打ち出しました。グローバルサウスが持つ市場成長力を活かすことで、日本国内のイノベーション創出と国内産業の活性化を実現しつつ、グローバルサウス諸国との経済連携も強化する狙いです。

このような性質上、補助金の対象となる費用は、「国内企業が行うインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(FS事業)」「小規模実証事業」という2つの類型に分かれています。

事業スキーム

まず事業全体を管理運営する”執行団体”を民間団体等から公募して決定し、経済産業省から執行団体に補助金が交付されます。そして、グローバルサウスでの「インフラ等プロジェクトの具体的案件組成や事業化に向けたFS事業」「実証事業」を実施する”間接補助事業者”の公募を行い、選定した事業者の取り組みに対して、執行団体が補助金を交付します。

補助対象となる取り組み例

経済性評価の調査
A国において、日本の先進的な鉄道車両、電機部品、システム装置などの輸出とOMにかかる事業計画について経済性評価の調査等を行う事業。

国内事情・法規の調査
B国において、防災等の目的で衛星データを活用するプロジェクトを実施するために必要な関係機関の詳細な意向確認やデータ取扱等の関連法規制の調査等を行う事業。

ニーズの調査
C国のスマートシティ開発において、地域の渋滞を回避すべく実施する鉄道、バス等の MaaS の取り組みについて、潜在需要の確認調査等のほか、スマートフォンのアプリケーションの内容を検討する事業。

連携パートナーの調査
D国の都市から離れた地方部において、遠隔医療を提供するデータプラットフォーム事業を展開することを目的として、関連法制度、病院等のパートナー候補の調査等を実施する事業。
E国におけるインフラ整備事業について、F国企業(第三国)と連携して調査等を実施する事業。

補助額と補助率

補助額と補助率は次のとおりです。

【補助率】
中小企業2/3、大企業等1/2

【補助上限額】
FS事業 1億円、実証事業 5億円

なお、公募要領(案)によると、本事業の予算総額は278億円であり、ここから事務局経費を指し引いた約250億円が事業者への補助金となる見込みです。
採択件数は280~310件程度とされていますので、単純計算では1事業者当たりの補助金額は、平均8,300万円という数値が算出されます。

使える経費例

補助対象経費は、現時点では明示されていませんが、国が実施してきた他の補助金の動向から、次のような経費が対象になると見込まれます。

相手国への提案に必要な情報収集、調査、分析等
(例:相手国インフラの現状の実態把握、相手国関係者のニーズ、課題の把握、市場規模の予測、需要の予測、経済性の評価、環境影響調査や社会影響調査などのリスク分析)

競合他社の動向の把握、他社との差別化の検討、潜在的な連携・提携・買収先の調査(プロアクティブ・サーチ)

インフラの基本的な設計等
(例:インフラの新設、改修、近代化の提案に必要な基本的な設計の実施)

事業規模、コスト、収入等の算出、ファイナンスの検討

受注や事業化までのスケジュールの検討

その他 実証事業に要する経費

公募時期等

現在は、正式な公募開始時期は明示されていません。経済産業省による本事業に係る意見募集が1月11日に終わりましたので、これを反映して現在の公募要領(案)に手を加えて、正式な公募要領が完成される見通しです。

その後、執行機関を正式に募集して選定。続いて、選定された執行機関が間接事業者(FS/実証を行う企業)を公募して選定し、そこから補助事業が始まります。これらを踏まえると、公募開始は5月~7月あたりになるのではと思われます。

なお、現在公開されている仮の公募要領では、事業実施期間は次のとおり示されています。概ね1年間の間に行うスキームのようです。

実施期間:FS事業 契約日から令和8年2月末まで(最長1年間)
     実証事業 契約日から令和8年2月末まで

その他

グローバルサウス補助金は、大枠で3つに分かれています。この度ご紹介した内容は、下図の(1)グローバスサウス未来志向型共創等事業になります。

この他、(2)グローバルサウス未来産業人材育成当事業、(3)未来産業のナレッジプラットフォーム構築事業で構成されています。

予算の内訳は不明ですが、総予算は1,400億円と大型の補助制度となっています。

まとめ

詳細は確定されていない”グローバルサウス補助金”ですが、海外に新たなビジネスチャンスを見出したい事業者様にとっては、調査・実証について補助が得られる貴重な補助金となっています。

補助金には独特のルールや慣習があり、特に創設されたばかりの”グローバルサウス補助金”に採択されるには高度なノウハウが必要です。弊社はこのような補助金への対応実績・ノウハウともに豊富ですので、ご興味がお有りの事業者様は、お気軽にお問合せください。