コロナ融資の返済開始が始まり、資金繰りが厳しくなっている企業様も多いのではないでしょうか?そうした事業者向けに、2つの借り換え制度が創設されています。
いずれにしても計画書の作成が必要となりますのでまずはお気軽にご相談ください。
制度の概要は以下となります。
コロナ借換保証
コロナ借換保証とは
2022年10月28日に閣議決定された「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の影響の下で債務が増大した中小企業者の収益力改善等を支援するため、借換え需要に加え、新たな資金需要にも対応する信用保証制度(コロナ借換保証)です
コロナ借換保証の制度概要
保証限度額 | 1億円 |
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保証期間 | 10年以内 |
据置期間 | 5年以内 |
金利 | 金融機関所定 |
保証料(事業者負担) | 0.2%等(補助前は0.85%等) |
要件 | 売上または利益率が5%以上減少 など |
その他 | ・100%保証の融資は、100%保証での借換が可能 ・経営行動計画書の作成 ・金融機関の継続的な伴走支援 |
取扱期間 | 2024年3月31日まで(予定) ※信用保証協会に保証申込がなされたもの |
コロナ借換保証のスキーム
コロナ借換保証のポイント
行動計画書の作成(アクションプラン)が必要であり、金融機関の継続的な伴走が必要となっていますが、コロナ融資で借換をする際に最も使用しやすい制度ですね
行動計画書とは
事業概要のほか、今後の事業再生に向けた打ち手とそれによる寄与度を計画として落とし込んだ資料となります。
経営改善サポート保証(コロナ対応)
経営改善サポート保証とは
・ 経営改善サポート保証制度は、経営サポート会議や中小企業再生支援協議会等の支援により作成した経営改善・再生計画に基づき、中小企業が経営改善・事業再生を実行するために必要な資金を、信用保証協会の保証付き融資で支援し、経営改善・事業再生の取組を後押しする制度。
・今後、コロナ禍で債務を抱え、特に経営状況の苦しい企業の利用ニーズが増加することが想定されることを踏まえ、据置期間を最大5年に延長した上で、信用保証料の事業者負担を大幅に引き下げる措置を講じる。
経営改善サポート保証の概要
保証限度額 | 2億8,000万円(一般の普通・無担保保証とは別枠) |
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保証期間 | 15年以内 |
据置期間 | 5年以内 |
金利 | 金融機関所定 |
保証料(事業者負担) | 0.2%等(補助前は0.85%等) |
要件 | 売上または利益率が5%以上減少 など |
その他 | ・100%保証の融資は、100%保証での借換が可能 ・経営改善計画の作成 |
取扱期間 | 2024年3月31日まで(予定) ※信用保証協会に保証申込がなされたもの |
経営改善サポート保証のポイント
こちらの特徴としては、保証額が2.8億円と大きく、保証期間が15年と長い事から、負債が大きく、長期的に事業再生を進めたい企業に有利な借換制度になります。
実は当制度は、昨年までは「支援協の再生支援を受けている事」が原則でした。支援協の再生支援を受けれる企業は極わずかであり、多くの中小企業はこちらの制度は使用できていませんでしたが、認定支援機関の経営改善計画書の支援を受けると言う、簡単な手続きで使用する事が可能となりました。
金融機関としても専門家の計画書と伴走を受けた中小企業への支援は進めやすくなりそうですね。
経営改善サポート保証の申請スキーム
信用保証付債権DDS
信用保証付債権DDSとは
コロナの影響の長期化や物価高等の影響を受け特に債務超過に苦しむ中小企業者においては、状況の打開のためにキャッシュフロー改善に資する設備投資等を実施したくても、今の財務状態では資金調達は難しいのが現状です。
そのため、債務超過の要因になっている既存の保証付融資の一部を資本的劣後債権への転換(信用保証付債権DDS)を行うことで、実質債務超過額の圧縮・解消、更には信用力アップを図り、新たな資金調達を受けるなど、安定した金融取引の継続が可能となります。
こうした信用保証付債権DDSの取組みを後押しするため、現行の要件となっている中小企業活性化協議会等による再生計画のみならず、「認定経営革新等支援機関が経営改善計画策定支援事業によって策定を支援した事業再生計画」においても全債権者の合意を得たものであれば対象とするよう要件を拡充いたします。(ただし、当該計画にて、信用保証付債権DDSを検討する場合において、信用保証付債権しか存在しない場合は、プロパー新規融資の原則同時実行を要件とすることで信用保証付債権DDSの対応を可能とします。)
信用保証付債権DDSの概要
対象者 | 信用保証協会を利用している中小企業者であって、再生計画等を策定し、金融機関等の支援を得て、経営改善・事業再生を図ろうとするもの |
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劣後化手続き | 信用保証付債権について保証条件変更手続きを行う |
期間 | 5年超(事業再生計画等で求められている期間) |
償還方法 | 原則として、期限一括返済 |
保証料率 | 通常の条件変更手続き同様、貸付実行時の保証料を適用 |
金利 | 原則として、配当可能利益に応じた金利設定 |
ポイント
当制度は借入金を資本の性質を持たせる資本制ローンに転換させる効力があります。
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信⽤保証付債権DDS活⽤事例
要件
・認定経営⾰新等⽀援機関が、経営改善計画策定⽀援事業によって策定を⽀援し、全債権者の合意を得た事業再⽣計画においても、信⽤保証付債権DDSの対象に加えるよう要件拡充をしたところ、当該計画については、各債権者が計画の公正性を判断するためにも原則以下の内容を含んだ計画とする。
・当該計画にて、信⽤保証付債権DDSを検討する場合においては、信⽤保証付債権しか存在しない場合は、プロパー新規融資の原則同時実⾏を要件とすることで信⽤保証付債権DDSの対応を可能とする。