デジタル技術と観光資源をかけ合わせて、魅力的な体験を提供する観光DXの取り組みが現在広まっています。観光事業者の皆様も、事業に取り入れられる効果的な施策をお探しではないでしょうか。
観光DXの最先端施策として注目を集めているものの一つに、デジタルスタンプラリーがあります。地域の回遊率アップや販売促進が見込めるほか、インバウンド対策にも効果的な取り組みなんです。
本記事では、そんなデジタルスタンプラリーの種類や成功事例を紹介していきます!当社で補助金申請サポートも可能なので、ぜひチェックしてみてくださいね。
デジタルスタンプラリーとは
デジタルスタンプラリーとは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を使用して参加するスタンプラリーです。Web上の特設サイトやモバイルアプリにアクセスし、ラリースポットを訪れるとスタンプを入手することができます。
デジタルスタンプを集めた参加者に限定の特典や抽選権などを提供することで、話題性を集めるケースもあります。
紙のスタンプラリーより運営の負担が少なく、さらに参加者の行動データ収集も可能など、多くのメリットがあります。
デジタルスタンプラリーの種類
デジタルスタンプラリーには、以下の種類があります。
それぞれメリット・デメリットがあるので、目的や予算から企画に合うものを選ぶことが重要です。
QRコードタイプ
QRコードタイプは、特定の地点で提示されたQRコードをスマートフォンやタブレットなどでスキャンし、スタンプを取得する方式です。
スタンプ獲得の操作方法がシンプルで簡単なので、多くのデジタルスタンプラリーに導入されています。
<メリット>
・QRコードは通常、パンフレットやポスターなどで掲示すればいいので、手軽にかつ低コストで実施することができる
<デメリット>
・景観を重視している場所などはQRコード入りポスターを掲示できない可能性がある
GPSタイプ
GPSタイプは、特定の場所にいるユーザーの位置情報を利用してスタンプを取得する形式です。ユーザーは指定された場所に足を運び、専用アプリを開いてスタンプを取得します。
<メリット>
・現地に行かないとスタンプが取れないため、不正スタンプ取得を防ぐことができる
・掲示物の置けない場所でも実施できる
<デメリット>
・商店街、商業施設内など地点同士が近いところでは誤作動が起きる可能性がある(スポットの間隔は最低でも300m~500mあけることが推奨)
・地点が地下や山の上など、電波が届かない場所にある場合は不可
キーワード入力タイプ
キーワード入力タイプは、専用アプリやサイトに指定されたキーワードを入力することでスタンプが取得できる形式です。これらのキーワードは特定のスポットに掲示されており、ユーザーはそのスポットでキーワードを確認し、アプリやサイトに入力します。
<メリット>
・キーワードをクイズ形式にすることで、エンターテイメント性が向上し、ユーザーが楽しみながら参加できる
<デメリット>
・SNSなどでキーワードが広まると、現地に足を運ばずにスタンプを入手する不正行為が発生する可能性がある
電子スタンプタイプ
電子スタンプは、特定の地点に設置されたスタンプ型の機器をスマートフォンの画面にかざすことでスタンプを取得できる形式です。従来の「台紙にスタンプを押す」という感覚を保ちつつ、スタンプラリーを楽しむことができるのが特徴です。
<メリット>
・電子機器を利用するものの、やり方は紙のスタンプラリーと同じため、子供やお年寄りなども楽しむことができる
<デメリット>
・アプリ対応の専用スタンプ機器を設置する必要があるので、対象地点を増やすとそれに比例してコストも増える
デジタルスタンプラリーの成功事例
過去にデジタルスタンプラリーを活用して、成果の出た成功事例をご紹介します。ご自身の事業に取り入れられそうな事例を探して、企画の参考にしてみてくださいね。
ヒロシマンホ?スタンプラリー
オタフクホールディングス株式会社主催、「ご当地お好み焼マンホール」を中心に広島県内のスポットを巡るスタンプラリーです。オタフクソース100周年を記念して開催されました。
専用アプリ「furari」をダウンロードし、GPS認証でスタンプが取得できる仕組みです。取得したスタンプの数によって応募コースが選択でき、抽選でオリジナルマンホールグッズやオタフク商品詰め合わせなどがプレゼントされました。
なお開始1カ月で1,750名の方が参加し、専用アプリ「furari」内で中国地方を対象に開催されたイベントの中では、歴代1位の参加人数を記録しています。
参加者からは、「子どもと今日はどこの地域に行く?どこから回る?など作戦会議を立て、今まで行ったことのない場所へも行けてとても楽しかったです。」「ご当地お好み焼マンホールを見つけるのが宝探しみたいで、とても楽しいです。カラフルなデザインもスゴく素敵で、見つけた時のお宝感が一層増しました。」などの声がアンケートで寄せられています。
お好み焼きマンホールを活用したユニークなスポット巡りが、参加者の行動動機に繋がっている成功事例です。
「北海道はゴールデンカムイを応援しています。」ARスタンプラリー
デジタルスタンプラリーはインバウンド対策にも効果的ですが、その成功事例の一つにアニメ「ゴールデンカムイ」と北海道のコラボスタンプラリーがあります。
毎年規模を拡大しながら開催されていて、なんと2022年は北海道内47施設が対象スポットになりました。
スマホアプリ「舞台めぐり」をダウンロードすれば、GPS認証で以下画像のようにキャラクターARが取得できる仕組みです。どこでも3ヵ所チェックインすれば、オリジナルスマホ壁紙がゲットできます。
スポット別に様々なARキャラクターとの思い出ショットを撮影でき、参加者はSNSに投稿するなど楽しんでいる様子がうかがえます。
「ゴールデンカムイ」のアニメが海外へ配信されていたことから、スタンプラリー専用サイトの多言語化も実施されています。
日本のアニメ文化は外国人からとても人気が高いので、このように人気コンテンツを利用したスタンプラリーは外国人客の誘致に効果的でしょう。
RIDE ON MAKINOHARA 商工業者応援デジタルスタンプラリー
新型コロナウイルスの感染拡大により、大きな影響を受けている宿泊業者や飲食店など、市内店舗への経済活性化対策を目的に静岡県牧之原市で開催されたスタンプラリーです。
LINEで牧之原市を友達追加し、参加店で600円以上の買い物をするとデジタルスタンプが入手できる仕組みです。こちらはQRコードタイプを使用しています。
スタンプを3つ集めれば、商品券1,000円分が絶対もらえる(先着5,000回分)ようになっています。
参加者からは「600円以上というのは、購買意欲を誘うちょうどいい金額だと思いました。」「今までに知らないお店も知れて、いろんなお店に行くきっかけになりました。」などの声がアンケートで寄せられています。
買い物をすれば絶対還元されるというお得感の強さがとても魅力的で、参加者を増やすきっかけにもなったと思われます。
JAFドライブスタンプラリー
日本自動車連盟(JAF)が全国の市区町村と観光協定を締結して、観光振興策に取り組んでいるうちの一つがこのドライブスタンプラリー(ドラスタ)です。ドライブで人気の観光スポットを巡り、スタンプを集めてプレゼントに応募すると、抽選でご当地の特産品や記念品などが当たる企画を全国各地で開催しています。
JAF会員と併せて、JAF未入会者も参加できるのが特徴です。専用アプリをインストールする必要がなく、シニア向けスマホなどでも利用できます。
スタンプの取得方法はQRコードとGPSの2種を用意していて、この2種で取得できない場合はスタンプコードを利用できます。
2022年の累計実績は企画数188、参加者人数13万3121、スタンプ押下数30万5097を記録しています。2021年の企画数48、参加者人数2万85、スタンプ押下数8万3418と比較すると、大幅な増加が見られています。
特に、今年で7シーズン目に突入する「中国5県ドライブスタンプラリー」では、「ドライブのきっかけになった!」「新しい発見があった!」「プレゼントがもらえるワクワク感が楽しめる」などの声が届いている様子です。
道の駅や高速道路SA・PAなどが対象スポットに設定されていて、県外からの観光客も気軽に参加しやすいのが魅力的ですね。
補助金申請サポート承ります
デジタルスタンプラリーの種類・成功事例をご紹介しましたが、ご自身の事業に活用できそうなものは見つかりましたか?
人気コンテンツとのコラボ・還元率の高い景品・面白い対象スポット設定など、目的に合わせて様々な角度からアプローチを図ることで、成功する観光DXの取り組みが可能です。
なおデジタルスタンプラリーの開催には、補助金を活用して費用を抑えることもできます。当社で補助金の申請サポートを行っていますので、まずは以下の無料相談からお気軽にお問合せください!ご不安な点、疑問点等、しっかりと解決させていただきます。