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日本のコンテンツ産業(アニメ、ゲーム、マンガ、音楽、実写など)を世界で勝てる産業へと押し上げるため、経済産業省が令和7年度補正予算で350億円という大規模な予算を投じてスタートさせるのが「IP360(コンテンツ産業成長投資支援事業)」です。
「IP360」という名前には、日本の優れたIP(知的財産)を、ゲーム・アニメ・マンガなど様々な形に展開し、世界中のファンに届ける(360度展開する)という思いが込められています。
この記事では、これからコンテンツビジネスで世界を目指す企業やクリエイターの皆様に向けて、IP360補助金の9つの支援メニューをわかりやすく解説します。
9メニュー早見比較表
| カテゴリ | メニュー名 | 対象者 | 上限金額 | 補助率 | 公募締切 |
|---|---|---|---|---|---|
| 制作支援 | IP新規創出支援 (スタートアップ支援) | 個人・チーム | 1,000万円 | 1/2 | 第1回のみ (6月下旬通知) |
| IP新規創出支援 (新規IP企画支援) | 実績ある事業者 | 7,000万円 | 1/2 | 4月下旬頃 | |
| 大規模作品製作支援 (一般支援) | 世界的ヒット狙い | 15億円 | 1/2 | 5月下旬頃 | |
| 大規模作品製作支援 (ロケ誘致支援) | 海外スタジオ連携 | 15億円 | 1/2 | 5月下旬頃 | |
| PF支援 | 開発プラットフォーム構築支援 | AI・XR等の技術活用 | 1億円 | 1/2 | 4月下旬頃 |
| 流通プラットフォーム拡大支援 | 配信PF事業者 | 30億円 | 1/2 | 未定 | |
| 海外展開 | IPエコシステム世界展開支援 | 4者以上のコンソーシアム | 2億円 | 1/2 | 3月24日 |
| ローカライズ支援 | IP権利者(個社) | 4,000万円 | 1/2 | 4月下旬頃 | |
| プロモーション支援 | 中堅・中小企業 | 2,000万円 | 1/2 | 4月下旬頃 |
IP360の全体像
1. IP新規創出支援(スタートアップ支援)
「これから新しいIPを生み出したい!」という個人やチームの挑戦を後押しするメニューです。
| 対象者 | 新たにコンテンツ製作・開発に取り組む個人またはチームのスタートアップ |
| 対象分野 | ゲーム、アニメ、音楽(ライブ・MV)、実写 |
| 補助金額 | 上限1,000万円(補助率1/2) |
| 何に使えるか | プリプロダクション(企画・準備)、プロダクション(本制作)、ポストプロダクション(編集)、ローカライゼーション(翻訳等)、プロモーション費用 |
| スケジュール | 2026年6月下旬頃に採択通知予定(第1回のみで終了予定) |
2. IP新規創出支援(新規IP企画支援)
すでに実績のある企業が、新しいIPの種をまくための初期投資を支援します。
| 対象者 | これまでコンテンツ製作・開発に取り組んできた事業者(大企業の場合は社内ベンチャー設置等の要件あり) |
| 対象分野 | ゲーム、アニメ、マンガ、音楽、実写 |
| 補助金額 | 上限7,000万円(補助率1/2) |
| 何に使えるか | プロダクション(本制作)費用 ※ゲーム・アニメ・実写のプリプロダクションは対象外 |
| スケジュール | 2026年3月末頃公募開始 → 4月下旬頃締切 |
3. 大規模作品製作支援(一般支援)
「世界で大ヒットを狙う!」というハイリスク・ハイリターンな超大型プロジェクトを強力にバックアップします。
| 対象者 | 将来的に世界的な大ヒットを狙えるコンテンツ製作・開発事業者 |
| 対象分野 | ゲーム、アニメ、実写 |
| 補助金額 | 上限15億円(補助率1/2) |
| 何に使えるか | プリプロダクションからローカライゼーションまでの幅広い制作費用 |
| 特徴 | 支援期間は最長2年。人材育成やデジタル投資も支援範囲。大ヒット時は収益の一部を国に納付する要件あり。 |
| スケジュール | 2026年3月末頃公募開始 → 5月下旬頃締切 |
4. 大規模作品製作支援(ロケ誘致支援)
海外の大型スタジオの撮影を日本に呼び込み、国内の制作現場のレベルアップを図ります。
| 対象者 | 海外スタジオのもとで、国内でのロケ撮影や高度な編集作業(VFX等)を行う日本の制作事業者 |
| 対象分野 | 実写 |
| 補助金額 | 上限15億円(補助率1/2) |
| 何に使えるか | 国内でのロケ撮影費用、ポストプロダクション(VFX等の高度な編集作業)費用 |
| スケジュール | 2026年3月末頃公募開始 → 5月下旬頃締切 |
5. 開発プラットフォーム構築支援
AIやXR、ブロックチェーンなどの最新技術を使って、コンテンツ制作を効率化・高品質化するシステムの開発を支援します。
| 対象者 | コンテンツ制作の生産性向上に資する高度な技術を活用した開発プラットフォームを構築する事業者 |
| 対象分野 | ゲーム、アニメ、マンガ、音楽、実写 |
| 補助金額 | 上限1億円(補助率1/2) |
| 何に使えるか | プラットフォームの構築に関わる費用(システム開発費など) |
| スケジュール | 2026年3月末頃公募開始 → 4月下旬頃締切 |
6. 流通プラットフォーム拡大支援
日本のコンテンツを世界に届ける「独自の流通網(プラットフォーム)」を強化するための新設メニューです。
| 対象者 | 海外向けコンテンツや外国ファンの拡充、プラットフォーム間の連携を行う国際的な配信・流通プラットフォーム事業者 |
| 対象分野 | ゲーム、アニメ、マンガ、音楽、実写 |
| 補助金額 | 上限30億円(補助率1/2) |
| 何に使えるか | プラットフォームのシステム開発、海外向けコンテンツの拡充、海賊版対策と連動した正規版への誘導プロモーションなど |
| スケジュール | 2026年3月末頃公募開始予定 |
7. 海外展開支援(IPエコシステム世界展開支援)
複数の企業がタッグを組んで、日本のIPを束ねて海外に売り込む大規模な取り組みを支援します。
| 対象者 | 4者以上のコンテンツIPの権利者が主体となるコンソーシアム等 |
| 対象分野 | ゲーム、アニメ、マンガ、音楽、実写 |
| 補助金額 | 上限2億円(補助率1/2) |
| 何に使えるか | 複数のIPがまとまって海外展開するためのローカライズ(翻訳等)やプロモーション費用 |
| スケジュール | すでに公募開始済み → 2026年3月24日締切 |
8. 海外展開支援(ローカライズ支援)
自社のIPを海外向けに翻訳・カルチャライズする費用を支援します。
| 対象者 | コンテンツIPの権利者が主体となって個社で行う事業者 |
| 対象分野 | ゲーム、アニメ、マンガ、音楽、実写 |
| 補助金額 | 上限4,000万円(補助率1/2) |
| 何に使えるか | ローカライゼーション(多言語翻訳、吹き替え、現地の文化に合わせた修正など)費用 |
| スケジュール | 2026年3月末頃公募開始 → 4月下旬頃締切 |
9. 海外展開支援(プロモーション支援)
自社のIPを海外のファンに知ってもらうための広告宣伝活動を支援します。
| 対象者 | コンテンツIPの権利者が主体となって個社で行う中堅・中小企業 |
| 対象分野 | ゲーム、アニメ、マンガ、音楽、実写 |
| 補助金額 | 上限2,000万円(補助率1/2) |
| 何に使えるか | 海外向けのプロモーション(広告出稿、イベント出展、インフルエンサー起用など)費用 |
| スケジュール | 2026年3月末頃公募開始 → 4月下旬頃締切 |
まとめ
「IP360」は、個人クリエイターのスタートアップから、数十億円規模の超大作ゲーム・アニメ、さらには配信プラットフォームの構築まで、コンテンツ産業のあらゆるフェーズを網羅した強力な支援策です。
特に「海外展開」や「新規IPの創出」に力点が置かれており、日本のコンテンツを世界に売り出したい企業にとっては絶好のチャンスと言えます。
多くのメニューが2026年3月末頃から公募開始となる予定です。申請を検討される方は、経済産業省の特設ページや事務局の公募要領をこまめにチェックして、早めの準備を進めましょう。



