令和6年度補正予算では、中小企業・小規模事業者等の生産性向上や持続的な賃上げを実現するために、新製品・新サービスの開発に必要な設備投資等を支援する補助金が公募される予定です。最大4,000万円の補助金が受けられるチャンスですので、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
補助金の概要
- 対象
中小企業・小規模事業者等(※詳細は公募要領でご確認ください) - 補助上限額
最大 4,000万円(枠によって異なる) - 補助率
1/2~2/3(要件を満たす事業者の場合、最大2/3まで引き上げ)
こんな取り組みに活用できます
- 製品・サービス高付加価値化枠
革新的な新製品・新サービス開発により、付加価値の高いビジネスを目指す取組を支援- 例)最新の複合加工機を導入し、従来は難しかった高精度な部品の加工を実現 → 新製品開発へ
- グローバル枠
海外需要の開拓や海外展開に取り組む事業者を支援- 例)海外市場進出のため、新しい製造機械を導入して海外向け新製品を開発し、海外展示会に出展
2つの申請枠の詳細
申請枠 | 製品・サービス高付加価値化枠 | グローバル枠 |
---|---|---|
要件 | 革新的な新製品・新サービスの開発による 高付加価値化 | 海外事業の実施による 国内の生産性向上 |
補助上限 | 750万円~2,500万円 | 3,000万円 |
補助率 | 中小企業:1/2 小規模・再生事業者:2/3 | 中小企業:1/2 小規模:2/3 |
補助対象経費 | <ul><li>機械装置・システム構築費(必須)</li><li>技術導入費</li><li>専門家経費</li><li>運搬費</li><li>クラウドサービス利用費</li><li>原材料費</li><li>外注費</li><li>知的財産権等関連経費</li></ul> | 上記に加えて <ul><li>海外旅費</li><li>通訳・翻訳費</li><li>広告宣伝・販売促進費</li></ul> |
その他 | 収益納付は不要 | 収益納付は不要 |
基本要件について
補助金を活用するためには、3〜5年の事業計画を策定し、以下を満たす必要があります。
- 付加価値額の年平均成長率が+3.0%以上
- 1人あたり給与支給総額の年平均成長率
- 事業実施都道府県の最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上
または - 給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上
- 事業実施都道府県の最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上
- 事業所内最低賃金が、事業実施都道府県の最低賃金+30円以上
- 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等(※従業員21名以上の場合)
※最低賃金引上げ特例適用事業者の場合、要件は(1)(2)(4)のみとなります。
※事業成果の確認のため、計画期間中は毎年「事業化状況報告」の提出が必要です。未達の場合、補助金の返還が求められる場合があります。
大幅な賃上げ・最低賃金引き上げに取り組む事業者への優遇
- 大幅な賃上げに取り組む事業者
(1) 給与支給総額の年平均成長率 +6.0%以上増加
(2) 事業所内最低賃金が事業実施都道府県の最低賃金 +50円以上- 補助上限額を100~1,000万円上乗せ
- いずれか一方でも未達の場合、補助金の返還が求められます。
- 最低賃金の引き上げに取り組む事業者
- 指定された一定期間において、3か月以上「地域別最低賃金+50円以内」で雇用している従業員が全従業員の30%以上
- 補助率を2/3に引き上げ(小規模・再生事業者は除く)
公募スケジュール(予定)
- 公募開始
- 公募締切
- 交付候補決定
- 交付申請 → 交付決定
- 補助事業開始
- 実績報告 → 確定検査 → 補助金額確定
- 事業化状況報告
正式なスケジュールは公募要領の公表後に発表されます。現時点では、おおまかな流れとして上記を把握しておきましょう。
申請に向けたポイント
- 事業計画の策定
- 3〜5年でどのように付加価値を高め、賃上げを行うのかを明確にする。
- 付加価値額・給与支給総額・最低賃金との整合性をしっかり示す。
- 設備投資の意義を明確化
- なぜその設備・システムが必要なのか、どのように生産性が向上するのかを説得力ある形で説明。
- 補助対象経費の確認
- 対象となる経費と対象外の経費を区別しておく。
- グローバル枠の場合は、海外旅費や通訳・翻訳費などもカバーされるので要チェック。
- 事業スケジュール管理
参考リンク:
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/r6_mono.pdf