制度概要
本事業は、資源エネルギー庁が令和7年度補正予算で措置した「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」の一区分として実施される。電力系統に直接接続する大規模蓄電池(系統用蓄電システム等)の導入費用の一部を補助することで、余剰再エネの吸収や脱炭素化された調整力の確保を図る。執行機関は一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)。同補助金には「大規模業務産業用蓄電システム等導入支援事業」「再エネ電源併設蓄電システム等導入支援事業」も存在するが、いずれも公募終了済みであり、現時点で公募中なのは本事業のみ。
補助額・補助率|最大40億円
| 区分 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 原則 | 1/3以内 | 40億円(1件あたり) |
| 条件該当① | 1/2以内 | |
| 条件該当②(LDES等) | 2/3以内 |
補助上限額は1件あたり40億円。補助率は導入する蓄電システムの種別・要件によって1/3以内・1/2以内・2/3以内の3段階が設定される。LDESとは連続6時間以上の長時間充放電が可能な新規技術(圧縮蓄電・液化空気蓄電・重力蓄電等)を指す。予算規模の総額は公募要領に記載あり。
対象者
以下の要件をすべて満たす法人が対象となる。
- 日本国内で事業活動を営む法人であること(一般送配電事業者は原則対象外。ただし発電事業者の立場で申請する場合は対象)
- 補助対象設備の所有者かつ使用者であること(リース等で所有者と使用者が異なる場合は2者共同申請)
- 直近年度決算において債務超過でないこと(SPCは主たる出資者の決算で判断)
- 経済産業省から補助金等停止措置・指名停止措置を受けていないこと
- CO₂排出量20万t以上の民間企業は、GXリーグ参加またはScope1・Scope2排出削減目標の設定・第三者検証・公表等を実施できること。20万t未満の民間企業・中小企業は温室効果ガス排出削減取組の提出で対応可
- 省エネ法における特定事業者等は、省エネ法に基づく定期報告情報の開示制度へ参加を宣言し、令和8年度公表分の開示シートを公表できること
- 事業実施場所の自治体および土地地権者と協議を開始済みであること。敷地境界線から最低100m以内の近隣住民・事業者への説明会を原則2026年度末までに開催すること(工事着工前必須)
- 電気事業法準拠の騒音対策・消防法等遵守・系統連系技術要件の充足が見込まれること
- 運用開始日から3年間、運用データ等をSIIへ提出できること
対象事業・対象設備
電力系統に直接接続する系統用蓄電システム等の新規導入が対象。最大受電電力1,000kW以上が要件となる。一般送配電事業者の変電所への併設、および発電事業者の発電所への併設は対象外。各種電力市場での取引等を通じて余剰再エネの吸収や調整力の供出を行う用途に限られる。
補助対象経費の区分は交付規程別表に定められており、設備費・実施設計費等が含まれる。基本設計費は交付申請時点で完了済みであることが求められる。自社調達を行う場合は利益等排除の考え方が適用される。なお、交付決定前に発注等を完了した費用は補助対象外。
対象設備の主な技術要件として、蓄電池の電池材料・容量劣化データ・システム充放電効率(PCS AC端評価)・充放電サイクル数等のカタログ値を実績報告時までに提出できることが必要。リユース蓄電システムの場合は初期容量および調達時の残存容量等も求められる。
申請受付期間
受付開始:2026年9月4日 受付終了:2026年11月4日
複数年度事業としての申請も可能。申請はjGrants(電子情報処理組織)による電子申請が原則。