本事業の目的・概要

  • 宇宙開発競争の激化と市場拡大を背景に、官民連携の宇宙開発を推進するため、JAXAを中核とした産学官の取り組みを加速する。
  • 輸送・衛星等・探査等の3分野で技術開発テーマを設定し、最大10年の支援を行う新たな基金を設置する。

本事業の目標

  • 宇宙関連市場の拡大、社会課題解決、フロンティア開拓の3つの出口に向けた目標達成を加速・強化する。
  • 各技術開発テーマの進捗や成果をモニタリングし、宇宙政策委員会等へ報告する。

補助額・補助率

A. 比較的高い技術成熟度(TRL8~9)で、民間企業等による事業化が見込める事業実証の場合

  • 市場成熟度が高い場合、大企業は1/2、中小企業・スタートアップは2/3
  • 市場成熟度が低い場合、大企業は2/3、中小企業・スタートアップは3/4 ※委託による実施は行わない

B. 十分な技術成熟度に達しておらず(TRL5~7)、事業化や調達獲得の構想を伴う技術開発・実証の場合

  • 市場成熟度が高い場合、大企業は2/3、中小企業・スタートアップ・大学等は9/10
  • 市場成熟度が低い場合、大企業は3/4、中小企業・スタートアップ・大学等は9/10 ※委託による実施も可能

C. 将来の事業化や産学官連携が想定され、技術成熟度が比較的低い段階(TRL2~4)の革新的技術開発の場合

  • 補助率は一律9/10 ※委託による実施も可能

D. 横断的・協調領域における共通基盤の整備や調査分析の場合

  • 補助率は一律9/10 ※委託による実施も可能

技術開発テーマ毎の具体的な類型や補助率は、技術成熟度や市場の成熟度等に応じて個別に判断され、実施方針で定められます。また、補助率については、実施者の規模等の情報も勘案しながら、代表機関とJAXAが協議の上、決定するとしています。加えて、技術成熟度の向上等による事業化リスクの低下に応じて、段階的に補助率を低減させることで、早期の自立化を促すとしています。

技術開発の方向性

  • 各分野において、国内外の動向を踏まえつつ、我が国の強みを活かした技術開発を推進する。
  • 輸送分野では低コスト化と国際競争力向上、衛星分野では民間事業の競争力強化と市場拡大、探査分野では国際プレゼンスの確保等を目指す。

技術開発テーマ設定や目標の考え方

  • 宇宙技術戦略を参照しつつ、JAXAではなく民間企業・大学等主導で効果的な技術開発が期待できるテーマを設定する。
  • 各テーマの成果目標や出口目標、マイルストン等を可能な限り定量的に設定する。

技術開発の実施方法

  • 国内の民間企業、大学等を対象とし、委託・補助により最大10年間支援する。
  • 技術成熟度や事業化の見通し等に応じて支援類型を設定し、段階的な補助率の低減等により早期の自立化を促す。
  • 技術開発課題の選定では実現可能性や優位性等を重視する。国際共同研究も可とする。
  • 知財は原則実施機関に帰属させ、オープン・クローズ戦略により成果を最大化する。
  • 中小企業・スタートアップの参画促進、他産業からの新規参入促進にも取り組む。

技術開発マネジメント

  • 事業全体の方針決定を行うステアリングボードと、各領域の採択・評価等を行うプログラムオフィサー(PO)を設置する。
  • ステージゲート評価により進捗確認・計画見直し等を行い、事業の最適化を図る。評価結果は公表する。
  • 技術開発成果の情報発信や、他の宇宙関連事業との連携も推進する。

利益相反の扱い

  • ステアリングボードメンバーやPO等は自ら担当する領域への参画を不可とする。
  • JAXA職員の提案は原則不可とし、必要な利益相反マネジメント体制を整備する。