コロナ禍で売上が減少した企業のV字回復をサポートする事業再構築補助金
 総額で2兆円近い予算規模のかつてない大型補助金です。公募は全8回を予定されており、人気を集めています。

 補助金額は最大1億円、補助率は最大3/4という大盤振る舞いの制度で、これを利用するメリットは計り知れません。
 その一方、デメリットリスクも大きくなっているのですが、多くの企業・コンサルタントにとっての盲点となっています。


 それでは、事業再構築補助金のメリット・デメリットを説明していきます。制度への理解を深めて、失敗しない事業再構築補助金の活用を目指しましょう!

事業再構築補助金とは

 事業再構築補助金は、コロナ禍で売上が減少した企業のV字回復、グリーン分野での事業再構築を支援する制度です。
 事業計画書を作成して申請して採択されれば、建物の新築・改築設備導入外注費広告宣伝費などに、1/2~3/4の補助金が得られます。

 オーソドックスな通常枠、回復・復活枠の概要は次のとおりです。

 このように、補助金額・補助率・補助対象経費のどこを見ても、とても魅力的な補助金だと言えるでしょう。

事業再構築補助金を活用するメリット

 それではまず、事業再構築補助金を活用するメリットを見ていきましょう。

①初期投資を抑えて新規事業に挑戦できる

 ハードへの投資を含む新規事業には、多額の初期投資がつきものです。これは新規事業に参入する際の大きなハードルになる部分ですね。

 このハードルを下げられるのが、事業再構築補助金を活用する最大のメリットと言えます。例えば、建物の改築・設備投資に1,000万円を要する新規事業があったとしましょう。

 この場合、事業再構築補助金の通常枠を活用すれば、666万円の補助金を受けて自己負担は334万円まで抑えられます。
 回復・再生枠であれば、750万円の補助金を受けて自己負担は250万円で済みます。自己負担で1,000万円の支出する場合とは雲泥の差ですね。

 思い切った挑戦にリスクはつきものですが、そのリスクを抑えて挑戦を後押ししてもらえる。これが事業再構築補助金の最大のメリットであり、経済産業省の目指すところでもあります。

②事業期間内は広告宣伝費も補助金にできる

 新規事業では初期投資を行うことで、サービス・商品の提供や製品の製造を可能とする体制を整えます。
 その一方で忘れてはいけないのが集客・受注の促進です。提供・製造体制が整っても顧客がいなければ売上は得られません。

 顧客の獲得に効果的なのが広告宣伝です。これはBtoB・BtoCのどちらにも同じことが言えます。事業再構築補助金では、なんと広告宣伝費も補助対象とすることができるのです。

 しかもリアル型・Web型どちらの広告宣伝でも対象にできます。
 具体的には、リアル型ではDMの作成・配布や新聞折り込み、パンフレットの作成など。Web型では、ECサイト・LPの構築リスティング広告やSNS広告の配信などが挙げられます。

 新規事業のスタートダッシュを決めるための広告宣伝費は、下手に節約するのではなく、必要な額はしっかりと使っていきたいですね。

③事業計画の策定を通じて自社を現状と将来性の理解が深まる

 すべての経営者が明確な事業計画を策定し、それにもとづいた経営をしている訳ではありません。むしろ、細かい計画を策定していない企業の方が多いでしょう。

 事業再構築補助金の通常枠に申請する場合は、15枚以内の事業計画書を数値目標込みで作成する必要があります。
 審査員に事業の有効性をPRするためには、15ページをフルに使うことが好ましいです。

 そうなると、自社の現状・財務状況・業界の今後・自社の今後の進むべき方法・その際の数値計画、など多くの要素を盛り込むことになります。

 採択されるレベルの事業計画書を作成する過程では、これらを具体化して書類に落とし込むことが必要です。
 そのため、日々の業務に追われる中で後回しになっていた様々な問題に向き合う工程が生まれます。

 この工程の中で、自社の強みや弱み、機会や脅威などを改めて認識することができるので、「経営を見直す良いきっかけになった」と感じる経営者は本当に多いです。

 次に、補助金活用のメリットをさらに広げる方法をご紹介します。

メリットをさらに大きくする方法

 事業再構築補助金のメリットをさらに大きくする方法として、大きく2点が挙げられます。

①自治体の上乗せ制度を活用する

 自治体によっては、事業再構築補助金の採択者に上乗せ補助金を出しています。

 事業再構築補助金の補助率は100%ではありませんので、自己負担部分は必ず発生します。この自己負担部分を対象に、再度一定の補助率で補助を受けられます。

 事業実施場所の自治体に上乗せ制度の有無を問い合わせてみましょう。

②国の制度を活用して税制の恩典を得る

 事業再構築補助金で建物の新築や大きな設備投資を行う際に併せて活用したいのが、国の節税制度です。
 特に「先端設備等導入計画」「経営力向上計画」は活用できる場合、使わない手はないでしょう。

●先端設備等導入計画

 中小企業が「先端設備への投資を通じて生産性を向上させる計画」を策定し、市区町村の認定を受けることで、税制などの支援措置を受けられる制度です。

 対象設備の償却資産税3年間減免してもらえるため、赤字・黒字を問わずすべての中小企業にとってメリットのある制度です。
 資産額の大きい設備投資の場合、償却資産税1.4%が免除になることは大きなコスト削減になります。

●経営力向上計画

 中小企業が設備投などを通じて「自社の経営力を向上させる計画」を策定し、国の認定を受けることで、税制などの支援措置を受けられる制度です。

この制度の大きなメリットは、「即時償却」「法人税の税額控除」です。これはいずれか一方を選択して活用できます。

 「即時償却」は、通常は法定耐用年数の期間で計上する設備投資の費用を、初年度に全額費用(損金)計上できる制度です。
 設備投資を行った年度の法人税を下げられるので、当面の資金繰りに余裕を持たせることができます。
 なお、全額の償却までは不要だという場合は、50%や80%など、任意の償却額を設定することも可能です。

 法人税の「税額控除」は、利益が出て支払いが必要な法人税額から、一定の金額を控除できる制度です。
 控除可能なる金額は、設備投資の取得価格の最大10%(資本金 3,000万円超1億円以下の法人は7%)。設備の金額が高額の場合には、特に大きな節税が可能です。
 即時償却は言ってしまえば費用計上の前倒しですが、こちらの税額控除は確かな節税効果を得られるので、資金繰りに余裕があればこちらを選択しましょう。

 これらの制度の活用支援も、当社は行っています。ご支援が必要でしたら、お気軽にご相談してください。

 さて、ここまでは事業再構築補助金を活用するメリットをご紹介してきましたが、メリットがあれば当然デメリットもあるものです。

事業再構築補助金を活用するデメリット

 メリットがあればデメリットも存在するのが世の常。事業再構築補助金にも同様のことがいえます。
 デメリットも細かく考えると複数ありますが、特に重要な点を3点ご紹介してしていきますね。

①必ず採択されるとは限らない

 事業再構築補助金の通常枠の採択率は約40%。つまり60%は不採択になるわけです。

 しかも、事業再構築補助金に応募する企業の多くは、外部のコンサルタントの力を借りて事業計画書を作成しています。

 つまり、自社で事業計画書を作成して応募する場合、その道のプロと同じ土俵で戦うことになります。
 経営者は「経営のプロ」ですが、その頭の中を文章に落とし込むことは専門ではありません。そこのプロはコンサルタントであるため、採択を勝ち取るためのハードルは高くなります。

②補助金の入金はすべてが終わった後

 補助金で誤解されがちなのが、「採択されればすぐに補助金が入るのでは?」という点です。
 これは間違いで、実際には「建物や設備の導入・検証をして支払いを済ませる⇒事務局に実績報告を行う⇒複数回の修正対応⇒実績報告完了⇒補助金請求⇒入金」の流れになります。

 ですので、取り組み内容にもよりますが、補助金の入金には概ね1年ほどの期間を要する。と認識しておいた方が良いですね。

③補助金は返還になる場合がある

 「返済不要の補助金です!」このような宣伝を見かけることがありますが、この表現は大きな間違い。

 実際には、補助金で導入した建物や設備などを処分制限期間(法定耐用年数)内に目的外使用・売却・譲渡・廃棄等を行う場合には、補助金の返還が必要に。
 その金額は、「その建物や設備の財産処分時の残存簿価×補助率」で算定されます。

 具体例を挙げると、次の計算になります。

 補助金で購入した機械600万円、補助金200万円(補助率2/3)、耐用年数5年。これを3年目に売却した場合、残存簿価は216万円です。補助率2/3を乗ずると144万円となり、この金額の返還が必要となってしまいます。

 これらのデメリットをなくす方法はあるのでしょうか?完全にゼロにはできませんが、抑える手段をご紹介していきます。

デメリットを抑える方法

 それでは、先ほどご紹介したデメリットを抑えるための対策をご紹介していきます。

①必ず採択されるとは限らない⇒信頼できるコンサルタントと連携する

 苦労して事業計画書を作成しても、採択されなければ意味がありません。そこでオススメしたいのが、信頼できるコンサルタントとの連携です。

 では、どのようなコンサルタントが「信頼できる」のでしょうか?特に大切なのは次の2つのポイントです。

●補助金の制度を詳細に説明してくれる

 国の補助金制度はかなり特殊です。補助対象になるもの、ならないものが不明瞭であったり、通常の商習慣では必要でない書類の整備が必要であったりします。

そのうえ、同じ中小企業庁の補助金でも、「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」「IT導入補助金」では多くの相違点があります。

 これらの違いを把握したうえで、コンサル契約前にきちんと説明し、質問に丁寧に応えてくれるコンサルタントを選びましょう。

●補助金のデメリットもきちんと説明してくれる

 補助金にはデメリットも多いです、先ほどご紹介したようなことを把握しているか?ということには注意して話を聞いてみましょう。

 メリットばかりを並べて補助金の活用支援契約を取ろうとするコンサルタントはオススメできません。
 あとから大きな問題が発生する可能性が高いので、リスクのある契約は避けましょう。

②補助金の入金はすべてが終わった後⇒補助金の入金日を見越した資金調達

 補助金事業での設備投資には、融資を受ける企業が大半です。
 その際には「つなぎ資金」を借りる場合が多いですが、補助金の交付決定から14カ月ほど経過した頃の返済を念頭に置いておくと良いでしょう。

③補助金は返還になる場合がある⇒制度の理解・事業の成功

 どのような場合に補助金の返還義務が発生するのか?という点を理解する必要があります。財産処分をしても補助金の返還が不要になる年数は何年か?
 どの範囲なら目的外使用にならないか?収益納付が必要になる利益額はいくらなのか?などなど。認識しておくことで、補助金返還を避けれらるケースは多いです。

 また、店舗改装などを行った場合にも、撤退した場合に改装費で受け取った補助金の一部が必要なケースも。これを避けるためには、撤退しなくて良いように事業を成功させることが一番ですね。

 とはいえ、多忙を極める経営者がこれらを理解するには限界があります。
 そのため、補助金制度を熟知したコンサルタントの支援を受けることが最も確実といえるでしょう。

まとめ

 いかがでしたか?事業再構築補助金はメリットが多い制度ですが、デメリットも存在します。補助金を最大限有効活用するためには、これらを正確に理解した上での利用が必要です。

 しかしながら、これらの知識は企業経営に役立つものではありません。そこでオススメなのが、経営者は事業の経営に専念し、補助金業務は信頼できるコンサルタントのサポートを受けることです。

 当社にご相談いただければ、補助金制度に精通し、実績豊富な中小企業診断士などのコンサルタント補助金採択・事業の成功を強力にサポートします。
 ぜひお気軽にお問い合わせください。