制度概要
中小企業成長加速化補助金は、将来の売上高100億円を目指して大胆な投資を進める中小企業の取り組みを支援する補助金。経済産業省・中小企業庁が推進し、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する「100億企業成長ポータル」を通じて執行される。3次公募は2026年9月29日に受付を開始した。
補助額・補助率|最大5億円
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額 | 5億円(500,000,000円) |
| 補助率 | 1/2以内 |
補助対象経費のうち建物費・機械装置費・ソフトウェア費の合算(投資額)が1億円以上(税抜き)であることが申請要件。外注費および専門家経費の合算は投資額未満でなければならない。
対象者
基本要件(すべて満たすこと)
- 中小企業者の定義(中小企業等経営強化法第2条第1項)に該当すること
- 売上高が10億円以上100億円未満であること
- 補助対象経費のうち投資額が1億円以上(税抜き)であること
- 申請時点で「100億宣言」が100億企業成長ポータルサイトに公表済みであること(公表手続きは通常2〜3週間を要するため、3次公募では10月26日までに申請が必要)
- 一定の賃上げ要件を満たす今後5年程度の事業計画を策定すること
- 日本国内において補助事業を実施すること
- 日本国内に本社および補助事業の実施場所を有すること
- 収益事業を行っていること
- 公募開始日時点で確定している直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
賃上げ要件の詳細
「基準年度」(補助事業完了日の属する事業年度)の従業員1人当たり給与支給総額と比較した「最終年度」(基準年度から3事業年度目)の1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、全国における直近5年間(2021〜2025年度)の最低賃金の年平均上昇率4.5%(基準率)以上であること。目標未達の場合は未達成率に応じて補助金の返還を求める。基準年度の給与支給総額が申請時点の直近事業年度を下回った場合は補助金の全額返還となる。
対象外となる者(みなし大企業・みなし同一法人等)
- 発行済株式の総数または出資価格の総額の1/2以上を同一の大企業が所有している中小企業者
- 発行済株式の総数または出資価格の総額の2/3以上を大企業が所有している中小企業者
- 大企業の役員または職員を兼ねている者が役員総数の1/2以上を占めている中小企業者
- 親会社が議決権の50%超を有する子会社が存在する場合、親子会社は同一法人とみなし、いずれか1社のみ申請可
- 代表者が同じ法人は同一法人とみなし、1社のみ申請可
- 経済産業省または中小機構から補助金交付等停止措置または指名停止措置が講じられている者
- 農業・林業・漁業を行う事業者が単に別の1次産業作物を生産する事業
- 公序良俗に反する事業、風俗営業等、暴力団関係者
対象となる組織形態
- 会社または個人(製造業・建設業・運輸業等:資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業:資本金1億円以下または従業員100人以下、サービス業:資本金5,000万円以下または従業員100人以下、小売業:資本金5,000万円以下または従業員50人以下 等)
- 企業組合、協業組合、事業協同組合、商工組合、商店街振興組合 等の組合・連合会
業種制限なし(全業種が対象)。
共同申請(コンソーシアム)
複数事業者での申請が可能。共同申請の場合、全構成者が事業者の範囲要件を満たす必要があり、100億宣言および賃上げ要件は原則として各者が対応する。参加企業の中に投資額5,000万円以上(建物費・機械装置費・ソフトウェア費の合算)の中小企業者を少なくとも1者以上含むことが必要。設備取得においてリース会社を利用する場合は設置事業者とリース会社の共同申請とし、原則1申請につきリース会社は1社。
対象経費
経費区分と内容
| 経費区分 | 内容・条件 |
|---|---|
| 建物費 | 専ら補助事業のために使用される事務所・生産施設・加工施設・販売施設・検査施設・倉庫等の建設・増築・改修・中古建物の取得に要する経費。建物・建物附属設備および付帯工事(土地造成含む)が対象。単価100万円(税抜き)以上のものに限る。土地代・単なる購入・賃貸、構築物(門・塀・フェンス・駐車場アスファルト等)は対象外 |
| 機械装置費 | 専ら補助事業のために使用される機械装置・工具・器具の購入・製作・借用(リース・レンタル含む)に要する経費、およびこれと一体で行う改良・修繕・据付・運搬に要する経費。単価100万円(税抜き)以上のものに限る。構築物・船舶・航空機・車両及び運搬具は対象外。中古設備は3者以上の古物商許可を持つ中古品流通事業者からの相見積取得が必要 |
| ソフトウェア費 | 専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築・借用・クラウドサービス利用に要する経費、およびこれと一体で行う改良・修繕に要する経費。単価100万円(税抜き)以上のものに限る。自社の他事業と共有する場合・パソコン本体・タブレット・スマートフォン本体費用は対象外。販売目的のソフトウェア構築は対象外 |
| 外注費 | 補助対象となる建物・機械装置・ソフトウェアの取得のために必要な加工・設計・検査等の一部を外注(請負・委託)する場合の経費。外注先との書面による契約の締結が必要。外注費と専門家経費の合算が投資額未満であること |
| 専門家経費 | 補助対象となる建物・機械装置・ソフトウェアの取得のために依頼した専門家(学識経験者・兼業副業・フリーランス等)に支払われる経費。謝金単価は大学教授・弁護士・弁理士・公認会計士・医師が1日5万円以下、准教授・技術士・中小企業診断士・ITコーディネータが1日4万円以下、その他が1日2万円以下(いずれも税抜き)。上限は1日5万円 |
主な対象外経費
- 再生可能エネルギーの売電を行うための発電設備(ソーラーパネル等)
- 事務所等にかかる家賃・保証金・敷金・仲介手数料・光熱水費
- 電話代・インターネット利用料金等の通信費(クラウドサービス利用費に含まれる付帯経費を除く)
- 汎用性があり目的外使用になり得るもの(事務用パソコン・プリンタ・文書作成ソフト・タブレット・スマートフォン・デジタル複合機・家具・3Dプリンタ等)
- 自動車等車両(事業所・作業所内のみで走行し公道を自走できないもの等を除く)の購入費・修理費・車検費用
- 事業にかかる自社の人件費(ソフトウェア開発等)
- 同一代表者・役員が含まれる事業者、みなし同一法人内の事業者(親会社・子会社間等)、資本関係のある事業者への支払
- 生産能力等が向上しない更新投資(既存老朽化設備の単純入れ替え)
- 応募・交付申請時の投資計画作成に要する経費
- 現金払・手形払(L/C決済含む)による支払(銀行振込のみ対象)
- 交付決定日より前に契約・発注した経費
補助事業期間
交付決定日から24か月以内。採択決定日から2か月以内に交付申請が必要。
審査項目・加点項目
1次審査(書面審査)
形式要件(中小企業者であることの確認等)の適格性確認および計画の効果・実現可能性等について定量面の書面審査。外部審査委員が関与する場合あり。
2次審査(プレゼンテーション審査)
1次審査通過者を対象に地域ブロック単位で審査会を開催。外部有識者による定性面も含めたプレゼンテーション審査。開催予定:令和9年2月15日(月)〜3月5日(金)(土日除く)。経営者自身によるプレゼンテーションおよび質疑応答が必須。外部コンサルティング会社等の同席は不可(金融機関確認書提出者の当該金融機関担当者は同席可)。
審査の主な評価項目
①経営力
- 売上高100億円に向けた中長期ビジョン・計画の有無、事業戦略の論理的構築、補助事業の組み込みの効果
- 高い売上高成長率(今後5年程度)の提示とそれを実現する事業戦略
- 高い付加価値増加率の提示と労働生産性の抜本的向上を図る計画
- 企業の収益規模に応じたリスクをとった投資(売上高に対する設備投資額の比率)
- 賃上げ計画の具体性・妥当性・持続性。「足下の賃上げ」(補助事業完了を待たずに実施する賃上げ)を評価。申請時の直近決算期から基準年度までの1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が物価上昇率を下回る計画の場合は審査上大幅に不利
- 外部環境・内部環境の分析に基づく事業戦略の構築。市場・顧客・競合分析、自社優位性の確保
- 適切な成果目標と達成管理体制の構築
②波及効果
- 域内仕入の拡大や地域における価値創造への貢献(サプライチェーンを通じた波及効果、ものづくりの高度化・イノベーション創出、地域資源活用等)
- 地域未来牽引企業の選定、健康経営優良法人の認定等の取組
- パートナーシップ構築宣言の実施等、下請取引先等に対する適切な取引姿勢
- 事業継続力強化計画(BCP)の策定・認定取得等のレジリエンス確保
- 知的財産の保護・重要技術の流出防止など経済安全保障の確保
- えるぼし認定・くるみん認定の取得等、女性活躍や仕事と子育ての両立に配慮した職場環境整備
③実現可能性
- 計画を実施可能な経営体制の構築と早期投資実行の見込み
- 補助事業を適切に遂行できる財務状況(ローカルベンチマークによるスコアリング)
- 金融機関のコミットメント(確認書を発行した金融機関による与信管理・成長資金供給姿勢等)
申請受付期間
令和8年9月29日(火)〜令和8年11月12日(木)15:00まで
申請はJグランツ(補助金申請システム)での電子申請のみ受付。
スケジュール
- 令和8年9月下旬:公募説明会(動画配信)
- 令和8年9月29日(火):申請受付開始
- 令和8年11月12日(木)15:00:申請受付締切
- 令和9年1月中旬:1次審査結果の通知
- 令和9年2月15日(月)〜3月5日(金)(土日除く):プレゼン審査(2次審査)
- 令和9年3月下旬以降:採択結果の公表