「ホームページやSNSに載せる画像がほしい、でもちょうどいい素材がない…」「この写真を編集して使いたいけど編集の仕方がわからない…」などと思ったことはありませんか?そんな時に便利なのがAIを使った画像生成・編集ツールです。(実はこの記事のサムネイルに使われているのも、紹介するツールの中の一つで生成したものなんです!)

この記事では普段の業務にも導入のしやすい画像・動画に関するAIツール3つとその使い方を以下にまとめています。

*AI画像生成ツールで現在一番話題を多く集めているものは「Midjourney」かと思われますが、導入するためにはコミュニケーションアプリDiscordを使用しないといけないため、今回は企業でも導入しやすい、Web上で使えるものを抜粋しています。

Stable Diffusion Online

Stable Diffusion Onlineとは

Stable Diffusion Onlineとは、入力されたテキストから画像を自動で生成するAIサービスです。無料で使用する事ができ、また商用利用も可能となっています。英語の方が精度は良い印象ですが、日本語でのテキスト入力にも対応しています。

使用方法

サイトを開き、下にスクロールをしていくと、下のような画面にたどり着きます。

「Enter your prompt」と書かれている欄に、生成したい画像のキーワードを入力し、「Generate Image」をクリック。大体15秒ほど待てば、AIが4つ候補を生成してくれます。

ここでは例として「cat」と一言だけ入力してみます。すると写真のような画像や、クレヨンや鉛筆で描いた絵のような、ジャンルがバラバラな画像が4つ生成されました。

生成したい画像を引き出すコツ

次は「cat」に細かく補足をプラスして生成してみます。ここでは「黒猫、歩いている、公園で、写真のようにリアルな、シネマティック」と、カンマ(,)で区切りながら入力をしてみました。

すると今度は、まさに公園で歩いている黒猫の写真のような画像が4パターン生成されました。このように、生成したい画像をうまく引き出すためには、重要なキーワードから順番に入力し、AIに細かく指示を出すことが重要です。最初に生成されたものが希望通りでなくても、何回か「Generate Image」を押すことで、良い画像が出てくることもあるのでトライしてみてください。

また、Stable Diffusion Onlineは固有名詞に強いという特徴もあるので、有名画家や映画、ゲームなどの固有名詞を入力する事で、その雰囲気に近いものが生成されやすくなります。

注意点

法令に反するもの、暴力的な内容のもの、個人情報を故意に広めるもの、誤情報を広め得るものの使用は禁止されていますので注意しましょう。

Craiyon

Craiyonとは

Craiyonとは、Stable Diffusion Onlineと同様、テキストから画像を生成するAIサービスです。こちらも日本語入力に対応していますが、英語の方が精度が高い印象です。アンドロイド向けのスマートフォンアプリもあり、Google Play Storeからダウンロードが可能です。

サービスの使用は基本的に無料ですが、月額5ドルの「Supporter」と月額20ドルの「Professional」という2つの有料プランも選択可能です。

商用利用も可能ですが、上記の有料サブスクリプションに登録していない場合は、ライセンスを明記する事が必須になります。

使用方法

こちらがサイトの画面です。基本操作やコツなどはStable Diffusion Onlineと同じと考えて良いでしょう。

「What image do you want to generate…」と書かれている欄にキーワードを入力し、「Draw」をクリックすると画像候補が4つ生成されます。

生成に1分以上と、他の画像生成ツールと比べて遅く、また、画像の精度も若干低い印象がありますが、UIや操作方法がとてもシンプルなので、パソコン作業に慣れていない方が多くいる環境での導入がしやすいかもしれません。

注意点

法令に反するもの、暴力的な内容のもの、個人情報を故意に広めるもの、誤情報を広め得るものの使用は禁止されていますので注意しましょう。

Playground AI (おススメ!)

Playground AIとは

ここまで紹介してきたツール2点は画像を生成するだけのAIでしたが、Playground AIは画像を生成するだけでなく、テキストを打つだけで画像を編集してくれるAIツールです。

現時点で公開されているAI画像生成・編集ツールの中でトップクラスで高性能と言えるでしょう

こちらも日本語入力に対応しておりますが、英語の方が精度がいい印象です。サービスの使用は基本的に無料ですが、月額15ドルの「Pro」と月額10ドルの「DALL・E2」というさらに高性能な2つの有料プランも選択可能です。

商用利用も可能となっています。

使用方法

Playground AIは画像の生成も編集もできますが、初心者の方には操作が少し難しいかもしれませんので、両方とも詳しく解説をしていきます。

画像の生成

サイトを開くと、まず他のユーザーが生成したおすすめ画像の一覧が表示されます。画像の上にカーソルを合わせるとどんなテキストを入力したかが見られるため、画像生成の参考にすると良いでしょう。

画像の生成・編集を開始するには、画面右上の「Create」をクリックします。

このような画面が表示されたら、まず画面左上のFilterの項目から、作りたい画像のイメージを選びます。全36種もある豊富なフィルターからイメージを選ぶだけでその雰囲気に近い画像が生成されるため、直感的な操作が可能となっています。

フィルターを選択して作りたい雰囲気を固定したら、あとは他のAIツールと同様、「Prompt」の欄に具体的な内容を入力し「Generate」をクリックすれば10秒程度で生成完了です。

画像の編集

Playground AIでは、生成した画像はもちろん、なんと自分の手持ちの画像も編集ができてしまうんです!

生成した画像を編集したい場合は、画像の上にカーソルを持っていき「Edit」をクリック。自分の持っている画像を使いたい場合は、「+IMPORT IMAGE」をクリックして編集したい画像を選択。

「business man」

あとは「Edit Instruction」の欄に、どんな風にしたいかテキストを入力するだけで自動で編集をしてくれるんです!

「make jacket black」と入力&編集
編集のコツ

こんなにも便利なPlayground AIの編集ツールですが、決して完璧というわけではありません。テキストを入力し編集をしてみたら、変えてほしくないところまで色が変わったり、形が変わったり…という事も多々起きます。

そこで使えるのがマスク機能です。編集したい画像にカーソルを持って行くと、右上に「Add Mask」というオプションが出てきます。それをクリックして、編集で変えたい範囲だけ塗りつぶしを行います。その状態でテキストで編集内容を指示をすると、選択した範囲だけが編集されるようになります。

Playtoonフィルター+「Princess」
マスク機能で編集範囲を選択
「Make clothes green」

試しにマスク機能を使っていない状態で編集の指示を出してみましょう。

ここでは例として「Add a necklace(ネックレスを足す)」と編集の指示を出してみます。するとネックレスだけの画像になってしまいました。

今度はしっかりと首元だけマスク機能で範囲選択をして同じ編集指示を出してみます。すると今回は首にネックレスを付けている画像に変わりました。このように、マスク機能を駆使する事で、自分のしたい編集が細かく指定できるのです。

マスク機能なし
マスク機能で首元を範囲選択&編集

他にも、「Image to Image(画像から画像に)」という生成/編集方法もあります。

持っている画像を編集画面左下の「Image to Image」の項目にインポートし、フィルターを自分の好きなようにセットし、テキストを入力。ここではPlaydough(粘土)フィルターを使用し、テキストプロンプトは「Princess」のまま画像生成をしてみます。すると先ほどの画像のまさに粘土バージョンのような画像が生成されました。

ここでテキストで「Dog」などと入力してみると、色味などがインポートした画像からそのまま保持された状態の、粘土でできた犬の画像が生成されます。

Playground AIは色々な編集や生成方法が可能なので最初は慣れるのが大変かもしれませんが、慣れてしまえば可能性は無限大ですので是非試してみてください。Playground AI公式のYouTubeチャンネルに編集方法やコツなども投稿されているのでチェックしてみてください。

まとめ

今回は2023年上半期時点で企業に導入のしやすいAI画像生成・編集ツールを3つ紹介しました。

今回紹介したものは現在市場に出回っている物のほんの一握りです。中にはアニメ風のイラストに特化した画像生成AIなど、特定の分野に長けたものもあるので、生成したい画像に合わせてAIツールを使い分けるのも良いでしょう。

AI画像の分野は毎分毎秒といっても過言ではないスピードで進化を遂げています。今後これらのツールよりも優れたものが出てくる事も予想されるので、常に情報をアップデートしていくことが大切です。